奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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>206 蘭花
【蘭花(レーチェル)】
「!?」
どうしたらそんな動き方ができるのかと自分の体を他人目線で見つめていたレーチェルは驚きのあまり声を上げるのさえままならない。
噛みちぎられた中指の皮膚から鮮血が滲み出てくるのが視界に入ればざわざわと鳥肌が立ち顔を顰めた。
そして、これから行おうとしている儀式の説明を聞かされ躊躇したものの切羽詰った状況では他を省みる暇など今はない。
器用に身体を捩らせて近づいてくる相手に応えようと身体をうつ伏せにし、ほふく前進するようにして近づいていった。
蘭花に急かされるまま、指先に顔を向けると舌をチロリと出してすくうようにして舐め取る。血液で舌がヌルッとして、お口の中が気持ち悪い……。
__気を取り直し、今度はゴロゴロと転がってレーチェル(蘭花)顔に向き合うようにして身体を移動させた。
何が起ころうとしているのか分からない恐怖で目を閉じたい衝動に駆られたもののレーチェル(蘭花)の瞳をジッと見つめる。そして……
「み、……見~つけた。見つかった。」
意を決して言われた通りの呪文の言葉を唱える。
口の中は血の味で満たされていった。
>207 東野 桜 (ターナ)
【ナナ(キース)】
闇雲に走り続けていたキースだったが、なんの手がかりもないまま体力だけが消耗していき、そろそろ別の手を打たねばならないという事実に頭を悩ませていた。
「__ッ!!」
そんなこと考えていた矢先に背後にぶつかって来たのは今まで散々探し求めていたターナの姿だった。『ターナ…。』と、声をかけようとしたがナナ(キース)はその言葉を飲み込んだ。
「すまんな……後ろに目がついていなくて。」
思わずレーチェルのときのように抱きしめそうになったが、きっと恐らく中身は別の誰かなのだとそう推測するとナナ(キース)は転んだターナ(桜)手を差し伸べてグッと堪えた。
「誰か探しているのか?」
散らばった写真を拾うの手伝ってそう訪ねる。
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