奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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■悪の組織達
(蒼馬さんとレーチェルさん入れ替わり有)
「ってな訳で僕のご友人(桜さん)のテーマパークに僕のお陰で優待して君達入れるんだから感謝してよねぇ!勿論友人にもだよォ?」
「ワーイ!ワタシサクラとも一緒回りたいナ!」
「連絡したげるよー。彼女も君の生き物達に随分楽しんでたみたいだし、時間があれば行けるかもよん。」
「ありがとうハヤテ!持つべきものは権力者だネ!」
「ランランは素直だにゃぁ。連絡切るよ?嘘だけど。というか早く進んでくれよmurdersoldier。つっかえちゃうぞーん。」
「……牡石、もう少し離れろ。歩きずらい。」
「ごめんなさいごめんなさいでも無理です無理です無理!というかボクは行きたいとか言ってないですし!砂金君が行くから守ってもらう為に着いてきただけですよ!?残ったら脅迫はされるし殺されるし虐められるし……もうボク砂金君から離れません……死ぬなら砂金君の傍で死にますからね。一緒に側にいて日陰で本読みましょうっていうか書に……」
「あんたの事は守ってやるから少し落ち着け。……俺も目立つ場所は好きじゃないがな。」
「君達ちょっとは感謝してくんなーい???PandoraboyもMurderersoldierもさぁ。ていうかPandoraboyはいつからそんなmurdersoldierに懐いちゃったのさぁん。僕ちゃん寂しー。」
「疾風君は虐める方でしょうが!うぅ、ボクの味方は砂金君だけですよ本当にぃ……。」
「留まるつもりは無いけどな。動かな過ぎても暇だ。あんたも体はしっかりしてるんだから少しは動け。」
「ひいっ!」
疾風の提案、基東野グループが建設したテーマパークに大海原グループも是非にと強引にでも優待チケットを手にして誘われた彼らはそんなやり取りをしながらも中に入っていく。牡石は砂金の腕を掴み巨体を縮こませ砂金は呆れながらもその大きな子供を引っ張るように腕を引き、体の弱い彼女を抱え、蘭花は桜さんに会えることを楽しみにしながらテーマパークへと足を踏み入れていた。
数刻もしないうちに、彼らは蒼馬さんと合流し、様々な人が入り交じるミラーハウスに入ってそして……悲劇は起こるのだが。
「ほら本に書いてあった通りじゃないですか馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ッゴェッブェッフッ!!」
「あー無理しない方がいいよん?僕の体貧弱だし、胃がないし、呼吸器官も弱いからねーん。でもまさかミラーハウスを出たらPandoraboyと入れ替わってるなんてサイコーに笑えちゃうね!glassboyとmurdersoldierも入れ替わっちゃってぇ??ハッハー!
んー、でも『僕』じゃぁPandoraboyの本は読めないのかー。体はモノホンなのにさー。残念残念。ランランはまだミラーハウスで迷子だし?」
「……あんたの身体を物理的に借りる日が来るとは思ってなかったよ。」
「いさ、砂金ぐん”離れない……いや違うこっちは蒼馬さんだぁぅ……ぐすっ、砂金くぅん……。」
「はいはい、蒼馬、あんたの体借りるぞ。」
迷宮と言われるミラーハウスを瞬時に理解して脱出してしまう天才と直感で出ていける元軍人、そして彼について行く記録者はミラーハウスの管理者も驚きの速さで出てきた。出てきたはいいが彼らは日陰で人目に付かない場所で話し合う。
____入れ替わっている。某映画のように。
それに気づくのは早いものでミラーハウスの薄暗く煌めく世界から太陽の光で瞬きすれば視点の高さや、体の感覚、あらゆるものに違和感を感じるのだから。
「ま、僕と入れ替わったPandoraboyは動かない方がいいね。死ぬから。」
「えっボク死ぬんですか?1回で?」
「嬉しそうな顔しないでくんなーい?僕の体で死なないでねぇ?迷惑。」
怯える疾風[牡石]にいやらしい笑みを浮かべる牡石[疾風]。そんな怯える疾風を宥める蒼馬さん[砂金]という異様な光景。
「そうだな。俺も極力あんたの傍に居よう。そうだな、このミラーハウスの近くの日陰のベンチならいいだろ?……牡石。」
「見た目で困惑するのは分かりますけど牡石です!いいです!ヴゲッフォッ。」
「うわ、僕の姿で馬鹿しないでくれない?ふつーに鳥肌モノ?。
んで、周りの増えてる警備員にSpringGirlと一向に連絡つかにゃいんだよねー。僕も動くのは専門外だけど、何かあったとしか思えないし。というかあった訳だね!そうだね、glassboyになったmurdersoldierがPandoraboyとそのベンチにいるならぼかぁこの不健康で健康なPandoraboyの身体を借りてフードコートにでも行こっかな?ほら、Pandoraboyめっちゃ食べるじゃーん?僕も食事というものを堪能したいから。あ、何かあったら僕の所かPandoraboyのところに行けばいいよ。どうせ彼は未来がわかるわけだし、僕も大概予想はついてるからね。面倒なのは魔法が使えないことだねー。glasssoldierも頑張りたまえよ?」
「合わせるんじゃない。まぁ、蒼馬、あんたの魔法は使いこなせる自信が無いから何かあれば極力肉体でカバーする。」
「ランランとも連絡したいけど下手に連絡して悪の組織だってバレても面倒だからねぇ。連絡は控えとくよん。」
「……流れはそんなものか。確かに警備員……それに護衛か?異様に増えてるな。……俺は離れられそうにないがな。すまん、蒼馬。」
しがみつく疾風[牡石]に飽きれた顔をする蒼馬さん[砂金]は自分と入れ替わった蒼馬さんに謝るとほら、行くぞと疾風[牡石]を抱えて離れていった。
牡石[疾風]とまた、「人生初食事くらいはさせてねー。」なんて言って離れていく。
こうして、悪の組織の同僚ながら動きがまばらすぎる彼らがテーマパークで幕を開けた。
※牡石と疾風はヒント的ポジションになると思われますので固定した位置にいるように基本ロルします。
疾風[牡石]は蒼馬さん[砂金]と一緒にミラーハウスの近くのベンチで疾風[牡石]の提案で占い師的な感じでこっそり居ておきます。
牡石[疾風]はフードコートにて人生初食事を大満喫してます。
____おっと忘れてはいけない。彼女の事を。
「(めっちゃ困るあるよコレ。)」
蘭花……彼女は小さな金髪の少女になっていた。
他人になるのは好きだが自分の意思じゃない交換は困るものだ。
兎に角性格を上手く掴むため、彼女は口を閉ざした。
■正義の組織達
「うむ、快晴だな!!姉さんの優しさに感謝だ!」
「そうですね。恵人くん、私迄本当に良かったのかしら?」
「姉さんがいいと言っていたら大丈夫ですよ先生!後で真田くんと合流して午後からのヒーローショーを見に行くまでまだまだ時間もあるので俺はこれで失礼しますね!」
「あぁ、前に言ってたあの事ですか。良いですけど、無茶や怪我だけはしないでくださいね?……しないでくださいね?」
笑顔で圧を掛けつつも大きなテーマパークに楽しそうな天笠と待ちきれないと言った様子の恵人は他のメンバーとも一緒にこのテーマパークにやってきた。恵人の場合は姉、疾風からの計らいにより優待チケットを貰い、入園していく。
ミラーハウスなんだ面白そうだな!……恵人のこの発言が多くの人々を困らせる事をまだ天笠は知らなかった。
が、体感することにはなった。
「……夢見ルカさん、本当にごめんなさい……。」
夢見さん[天笠]はベンチに座り、顔を埋めて体で申し訳なさを表現する。夢見さんからすれば自分が謝ってる構図など色々複雑だろうがこれが現実だった。
そして夢見さん[天笠]の知らない場所で、【ヒーロー】の彼は。
「____入れ替わっているな!!誰だろうこの人は!黒いな!」
あろう事か悪の人間……湊さん[恵人]になっており、その服装に突っ込みながらも笑顔で「これは何かあったに違いない!この人も困ってしまう!この人が傷つかないように頑張るぞ!恵人!うむ!」
と叫ぶと鏡付きのトイレから出ていき、原因を探りに駆け出した。
■キャンベル一家
ターナは焦っていた。
おかしい、私はこの間のキースさんの反省の代わりに、レーチェルちゃんと一緒に楽しいテーマパークを過ごす為ここに来ていた。
ミラーハウスなんてものがあるから、みんなで入ってそれから……。
音からして車の中で、縛られている。私の体じゃない。周りからする声に震えが止まらず、「怯えてるぞ。」なんて声にも体が過剰反応してしまう。
……この体験はしたことがある。誘拐。私は誰かと間違えられて誘拐されてしまっている。
幸いなのは声からして誘拐している相手が女性であることだろうか?
男だったら……こんな震えるだけではすまない。
いつもの変身ができない。非現実的だが、私は一般人の方と入れ替わってしまっていると嫌でも思い知らされてしまう。
ほろり、と桜さん[ターナ]から涙がこぼれ、小さな「助けて……」の言葉が車の音に押しつぶされた。
まさか入れ替わっている相手がノアの方舟際、散々対立した桜さんだとは知らずに。幸いなのは、表の桜さんの姿をターナは知らない。故に一般人だと思って何も出来ないと行動しないのだ。
流されるままに、桜さん[ターナ]は運ばれていく……。
最愛の夫と娘が心配で、そして、夫が助けに来てくれると信じて。入れ替わってしまっていると気付いてくれることを信じて。
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