奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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>今滝さん[雪菜さん]&斑鳩さん[雪音さん]
「その話し方は今滝君だな!ありがとう!では今滝くんは腹の中央の当たりを軽く抑えてみてくれ。胸の下の当たりが凹んでいるから肋骨も折れているだろう。それが治っているか触れながら確認して欲しい!俺は横から抑えているからな!」
こんな時でも恵人は笑顔は忘れない。笑顔というものは人の気持ちを落ち着かせる効果があることを知っているし、ヒーローはいつだって笑顔だったから。
雪菜さん[今滝さん]に指示をさせてもらうと雪音さん[斑鳩さん]の魔法の眩い光が人を包む。周りに人がいなくてよかった。そう思いつつ目を細めながら怪我人を見続ける。傷が塞がり始めるのを見て手早く片手で気道を保っていたストローを抜く。カランと瓶が勢いに釣られ転がるがそれも無視して恵人は腹の傷、中の傷が治るまで出血は抑え続ける。内部が治ったとわかるまで、雪菜さん[今滝さん]が確認する迄恵人もまた確認を怠ることをしなかった。
>斑鳩さん達より少し離れた場所
「……魔法の反応だな。つくづくあんたらが不思議だよ。」
「ボクも疾風さんのか、感覚は初めてなので、何だか不思議ですよぅ。」
半分泣きながらも辿り着くとほんのりと明かりが見えたのを察知して思わず隠れる。蒼馬さん[砂金]は疾風[牡石]を抱えたまま3人の様子を見守る。その中に雪音さんが居ることを確認して、じわりと汗が滲むを感じた。
「牡石、あんたあいつが入れ替わってるとか分かるのか?」
「え、あ?いやあのボクは歴史にあまり関与しちゃいけないので詳しくはいえないですけど、あと本もないので正確にあの把握はしてないですぅ、で、でもは、疾風さんの頭のおかげですね。多分、ここにいる人全員いれかわってるんじゃないかなぁってぇ……」
「戻る方法は?」
「うぇ、そ、それはボクの立場上言えないですし言うわけにもいかないので幾ら砂金くんでもボクは呪いがありますしぃ……ヒィィ!そんな顔しないで下さぃぃ!そ、蒼馬さんが更に恐ろしい顔に、顔になってますからァ!」
そんなやり取りをしながらも見守る。だが、疾風[牡石]は蒼馬さん[砂金]の様子を見てオドオドとしながらもゆっくり口を開いた。
「か、可能性としては原因を捕まえるか、ですよ。どんな事変にも原因がある訳ですし……。今回は、ほら、他の事件も起きてるみたいですよ。ね?こ、ここまでです!ボクが言えるのは!」
「……誘拐のあれか。そうか。」
そう言うと、3人。正確には雪音さんを見つめると「必ず戻してやるから。」と言って疾風[牡石]さんを抱えたまま決意を抱いた。
「……砂金くん???行く感じですか?え?まってボク死にますよ?砂金くん???砂金くん!?」
そして疾風[牡石]は平穏に事変を終わるのを見届ける。ということを出来なくなってしまった。砂金が離れても死ぬ。そばに居ても死ぬ。今の牡石はその未来しか見えなかった。
>誘拐犯達
「お金って……本当に私知りませんってばぁ……。」
この子の親か何かが大企業なのだろうか?そんなことを考えながら泣きつつも窓に映る自分じゃない自分の顔を見ているとふと、頭に過ぎった。
この顔、テレビでなにか……。
思考した頭はぱっと記憶を引き出す。そう、夜にテレビをつけていた際、ニュースであの大規模な商業施設のオープニングセレモニーに出ていた若き社長。東野グループの女性だとターナは気づく。それで誘拐されたのだ。この体の持ち主……東野さんは。
残念なことにターナは東野グループまでは覚えていても名前迄は覚えていなかった。何せ家事をしながらラジオ感覚でつけていたものだから。だが、現状に変化はなくともお陰でターナは幾分かは冷静になれた。
あれだけニュースで出ていた会社の社長なら必ず助けも来る。自分が上手くしていれば体の主は安全だろう
しかし入れ替わった理由が分からないのが新たな不安になっていた。このまま戻らなければこの体の主も困るだろう。
嗚呼、誰か!まずはこの拘束を、誘拐から救ってください!
ターナは切実に願った。
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