秘密の花園＊別室__GL、無登録

>曇ちゃん

嫌じゃない。嫌ならこうして選んでないよ？( 恥ずかしいかと問われれば答えはイエスだが、嫌かと問われたらそれは違う。ふるふると首を振りながら相手の言葉を否定し。大丈夫だから、と安心させるように瞳を覗き込むことで伝えられただろうか。きっと聡い相手ならば気付いてくれるはず。己の選んだものを手に取って嬉しそうにする相手が可愛らしく、ますます想いがつのるのを自覚して。とある百人一首のうちのひとつ、好きな句を心の中で暗唱しながら視線を相手へと向け。「うん、良いかも。可愛い」此方へと向けられた橙色にこくりと頷いては迷うことなく選んでくれたものに決めようと。決まったことだし早速会計に──いこうとしたところで、レジの近くに並ぶアクセサリーが目に入り。ずらりと並ぶピアスの中、見付けたのは桃色の桜が施されたもので。手にとって見せたのが何故花の形をしているのか、相手は気付くだろうか )曇ちゃん、このピアスも一緒にどう？