十三柱の悪魔達【ふんわりファンタジー】

>エリカ

…成程。これだけの物を作るには確かにそれなりの量が必要だな…(町外れまで連れて来られればそこに居るのは鉄で構成された自動人形。魔術的価値こそ低いがそこに詰め込まれた技術は其処らの少女が習得しているにしては余りにも高い物である事は魔術師である自分にも理解出来た)…確かに彼処にあった鉄材に魔術的な価値を見出すのは些か難しいが、子供相手の人形劇に一々高価な素材なんぞ使えないからな。ある程度安く済むならそれで済ませようという魂胆さ(そもそも自動で動くとはいえ台本通りに動けばいい人形だ。組み込む機構に手を抜くつもりは無いがフレームやらガワには多少安い素材を使った方が後腐れなく吹き飛ばせる…やはり敵役には派手に吹き飛んでもらわなければカタルシスにはならないだろうし、自動人形の演劇という珍しい出し物なのだから多少は派手な方が良いという自分なりの発想の表れだ


>剣崎

生憎相手の詳細さえ掴めて居なくてね、宛て所無い人探しというヤツさ(相手の体勢が低くなる。確か『居合い』とか言った技法だっただろうか…生憎東洋の彼是についての知識は薄い。そもそも王都に東洋人が居る事自体がほぼほぼ無かった為、話す事はおろか東洋の書物すら手に入らなかったのだ)…名前…か。…名乗る程の知名度など無い、通りすがりの人探し…とでも言っておこう(魔術師という情報すらこの状況で曝け出すのは憚られた。魔術師でも直接戦闘に向く者と向かない者がいる。ただでさえも彼女のような戦闘に注力した人物相手に少ない手の内を晒す訳にはいかなかった。だからこそ名前も職も伏せ、相手の出方に注意を注ぎつつ、ポケットの中身を握りしめる腕全体に《強化》をかけ始めようか。《強化》の掛かった状態であれば弾丸程の速度は出せないにしろ自分の見た目から察せられる速度以上に高速で物を投擲出来る。多少の脅しにはなるかもしれないだろう