AB型 2019-08-08 01:31:39 |
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>>2695 晃太
どうぞ、…俺も頂きます。
(コーヒーを運んでくれた彼にお礼を言い無邪気な視線を感じれば手のひらを上にしてどうぞと食べるよう促して自分も手を合わせてホットサンドを手に取る。サクッと齧ると縁まで詰まった具材の旨味が口の中に広がりトマトの水分がじゅわりと弾けて美味しく、もう少し食べ進めると卵がとろりとまろやかに溶け込んでその絶妙な組み合わせに頬を緩めて。「おいしいな。ぺろっといけちゃうそう。」彼の方を見て微笑みつつ、職業柄情報収集のためのテレビを付けて朝のニュースを流す。と言っても殆ど彼の話に耳を傾けて今日は特に彼が声がでないため、彼のほうを見ていて。が、テレビの中から聞こえてきた声にピタリと動きを止める。その声は聞き間違えるはずのない愛しい恋人の声。でも何故テレビの中から…、恐る恐る画面に視線を移すとライブ放送の街灯インタビューで20代ほどの若い男性がアナウンサーにインタビューを受けていて『今日一日のご予定は?』『今日はオーディションなんです。』『オーディション!何のオーディションですか?』『声優です。学生のころ目指してスクールにも通っていたんですが、先生にお前は別の道を考えたほうが良いって言われて一度は諦めていたんですけど…。社会に出てふとその夢を思い出したんです。20代の前半…夢を叶えるしか今しかないって。』『わぁ…素敵ですね!声も素敵ですし……──』インタビューは続くがヒヤリと背筋が冷える。彼の、彼の声を奪ったのはテレビの中の男。男はインタビューを終えると人混みの中に姿を消していく。「…今の、晃太の声だったよな?」食べかけのホットサンドを一度置くと鼓動を落ち着かせて横にいる彼を見る。ある意味犯人が分かったのは大きな前進…でもひとまず彼の反応を窺って)
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