AB型 2019-08-08 01:31:39 |
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>>2624 晃太
ふわふわで甘い卵焼き……あ、ああ…ありがとう。
(時折見せる彼の切なげな表情に胸が引き締められるような気持ちになるも、卵焼きの話になると彼の表情が少し明るくなったように思えて自分の心もほっこりと温かくなる。どんな卵焼きなのかも教えてくれて、その時食感や嗅覚や味覚…その記憶が浮上しかけるもやはり白い靄に掛かっていて思い出せずにもどかしさが残って。おにぎりも作ってくれて呼んだら駆けつけてくれるという彼に礼を言ってその背を見送っては扉がしまったところで胸に手を当ててキュッと握る。鼓動が早い。ここ最近はずっと感じていなかった温かさが胸に滲みる。でも自分には恋人が居て…こんなのはおかしい。自分が愛しているのは健二なのに…、これは浮気になるんじゃないか。ツキンと痛む頭を押さえて小さく首を横に振ると彼のシャンプーを手に浴室へと入り、カーゼの部分はあまり濡らさないようにして髪や体を洗っていきゆっくりとシャワーを浴びて。シャワーを済ますとタオルでしっかりと体を拭いて手を伸ばした着替え。何となく見覚えがあったがまさかそれが自分のだとは思わずに疑いなく袖を通すとドライヤーを借りて髪も乾かす。シャンプーの匂いはやはりどこかで嗅いだことがあり心が落ち着いて、メーカーを確認して今度探してみようなんて考えながらシャンプーボトルの水気をタオルで拭いてから包帯と一緒に手に持ってリビングへと足を進めて。「シャワーありがとう。さっぱり出来たよ。……こ……、あ…すごくいい匂いだな。なんのおにぎり作ってくれたんだ?」リビングに来るとキッチンに立つ彼の姿があり、その姿を見た瞬間トクンと鼓動が跳ねて僅かに頭が痛み片目を眇める。ざわざわと胸が騒いで彼の名を呼びかけるも、記憶の波が引いていくとその名が最後まで呼ぶことはなく何事も無かったかのように彼の隣へと足を進めてその手元を覗き込んで。キッチンに漂う香りは、市販の具材を使ったのとは違う香ばしい匂いがしていて、朝はあまり食欲がないはずなのにグウと腹の虫が鳴り「……今のはなんでもない。」気恥ずかしげに呟きシャンプーボトルを軽く握って視線を逸らして)
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