君とイツマデモ… (GL)

えっ？！
えぇ～～～っ？！

ちょ、ちょっと西村さん、なにを……？！

(人に抱きつかれたことなど生まれて初めてで
驚きと恥ずかしさで真っ赤になり、思わず声をあげてしまって)

げ、現代文って
そ、そのまえに離して……

(遠慮のないスキンシップに心臓がすごい勢いでドキドキして
か細い声で離してほしいと訴えて)

実際にやってみないとわからないかなぁ、って思って…笑

あ、ごめん…！ビックリしたよね…ちょっと落ち着いちゃって……笑笑
今まで抱きついてきた中で松本さんが1番落ち着く！

(離してと言われると彼女に謝り、1番落ち着くと言って中々離さずにいて。彼女の真っ赤になっているところを見ると小悪魔っぽい笑顔で笑って)

あなたが落ち着いてどうするのよっ

……お願いだから
離して……

(これ以上続けられるとドキドキで心臓が弾けて
体の奥にこもった熱でココロが溶けてしまうと思い
悲しいわけでもイヤなわけでもないけれど、涙がポロリとこぼれて)

え？ごめん……やから泣かんといて？
なな、しつこかったよね……

(彼女が涙を流すのを見て急いで離れて謝り、ティッシュを取り出す涙を拭いてあげたあとにしつこかったよねと反省した表情をすると“ちょっと来て”と手を引いて保健室に向かい)

もぉ……
知らない

(涙を拭かれると照れ隠しにぷいと横を向き)

来てって……
授業中よ？！

(いくら自習時間とはいえ授業中に教室の外を出歩くのはダメだと思いながら
手を引かれるままに教室を連れ出されて)

今日、保健の先生出張でいないんだよね。
だからサボろうかなぁって。どうせ自習だし。自習ってつまらなくない？
(先生にバレずに教室のある3階から保健室のある1階まで来れて、出張だし自習だったからいいやとベッドに大の字になり。“二人っきりだね”と笑顔で言って)

(勉強なんて、つまるつまらないの問題じゃないでしょ、と思いながらどうやら言ってもムダなことが薄々分かってきて)

……こんなことして
西村さんって不良なの？

(自習時間とはいえ、授業時間中にこんなに堂々と教室を抜け出したことなど生まれて初めてで
ドキドキやワクワクやビクビクやいろんな感情がせめぎあって)

ん？ふふっ、松本さんって鈍感やなぁ、笑
抜け出すなんて、ななも初めてやし。
それと……松本さんとやからやったんやで？二人っきりになりたくて…

(自分も抜け出したのは初めてで、あとから説教されないか少しドキドキしている時に不良なのか聞かれて鈍感だなと感じて。彼女に顔を近づければ松本さんだからと笑顔で言って)

鈍感？

西村さんも初めてなの？
その割にずいぶん堂々としていたけれど

あたしと……？

（どうも彼女の言葉をうまく理解することができずに質問ばかり返してしまい
なんとなく顔が近い、と感じてなぜだか少しドキドキして）

松本さんはななのことどう思ってる？

ガラッ

先生 : おい、西村、松本！どこにいるんだー？……ここにはいないか…たっく、西村はいつもどっか行くんだから…

もう少しこのままじっとしとって？
(話してる最中に先生が探しに来て急いでベッドのほうに移動して布団の中に潜り込み、じっとしたまま待機すると“ちょっとせまいね”と小声で言って微笑み)

(ふたりでお布団にもぐりこんで、こんなのカーテンを開けて見られたらすぐにバレると思って
それにふたりの体温でお布団の中が暑い
額や首筋にじり、と汗が滲んで
さっきからやたらと心臓の音がドキドキうるさいのはバレると怒られるから？

やがて先生が部屋を出ていくと、ぷはっとお布団から飛び出て)

……先生、西村さん、いつもどこか行くって言ってたわよね？

(じとーっとした視線で説明を求めて)

あと、あなたのことどう思うって聞いていたわよね？
会ったばかりでどうもこうもないけれど
今のあたしの感想はヘンな子、よ

(暑かったせいか頬に赤みがさして、ツンとした顔でそう言って)

(ふたりでお布団にもぐりこんで、こんなのカーテンを開けて見られたらすぐにバレると思って
それにふたりの体温でお布団の中が暑い
額や首筋にじり、と汗が滲んで
さっきからやたらと心臓の音がドキドキうるさいのはバレると怒られるから？

やがて先生が部屋を出ていくと、ぷはっとお布団から飛び出て)

……先生、西村さん、いつもどこか行くって言ってたわよね？

(じとーっとした視線で説明を求めて)

あと、あなたのことどう思うって聞いていたわよね？
会ったばかりでどうもこうもないけれど
今のあたしの感想はヘンな子、よ

(暑かったせいか頬に赤みがさして、ツンとした顔でそう言って)

別にいつもやないし……たまにどっか行ってるだけやし…
(彼女に冷たいような疑う目を向けられると落ち込んだように上記を述べて)

ヘンな子、か……いつかはヘンな子じゃなくなるかなぁ、
ヘンな子ってことは、変わってる性格っていう褒め言葉だよね！
(ヘンな子と言われると普通は落ち込んだり悲しい気持ちになったりするが、彼女の場合は都合のいい考え方をするポジティブ思考で解決し喜び)

いつももたまにも、あなたさっき初めてって言ったじゃない

(彼女の言葉に呆れて苦笑して)

ヘンな子はヘンな子よ
別に褒めてないし

(ツーンと横を向いたまま)

……でも

あんたの前でだけなら
関西弁、つこてもええかも

(照れた顔で、ﾎﾞｿｯとぶっきらぼうに呟いて)

やろ！？じゃあ使ってよ！ななの前だけでもええから！
(笑顔で手を握りながら上記を述べると“教室戻ろっか”と言い)


(( 教室 ))


先生「おい、西村ちょっと来い！」
はーい！


男子 : 大丈夫か？西村に何も思ってないか？……ここ最近西村に惚れちゃう女子いっぱいいるんだよ。(心配そうに言ったあとに“まぁ、女子同士だからって告白できなくて転校したり不登校になる人が多いけど…”と言い)

…気が向いたときだけやで

（視線を逸らせながら恥ずかしそうに返事して
教室に戻ろうと言う彼女に振り回されるように保健室を出て）


えっ
あたしに言ってるの？
って、そんな大変なことになっているの？！

あたしは西村さんのことなんて、なんとも思っていないから
心配してくれてありがとう

（男子生徒の話を聞いてびっくりして
気持ちを落ち着けながら、どうやら心配して声をかけてくれた相手にお礼を言って）

松本さん、先生に怒られちゃった～♪
何してたのかって聞かれたから「松本さんが可愛かったから連れ出しちゃいました。」って言っといた。
(笑顔で怒られちゃったと言ったあとに躊躇いもなく可愛かったからと言って。それだけ告げると“お手洗い行ってくる”とトイレに向かって行き)

男子「あれだよ。あれ。平気で可愛いとか言っちゃうところ。ああいうところが西村の男子からも女子からもモテるところだよなぁ……あ、何かごめんな。色々話しちゃって…」

単にバカ正直なのか節操がないのか…

でも、それって可愛いとか言われて簡単に舞い上がっちゃうほうにも問題があるわよね

(自分の言いたいことだけ言うとさっさと去って行く相手の後ろ姿を見ながら、男子生徒に彼女だけが一方的に悪いわけではないと話して)

……あなたも
西村さんのことが気になっているの？

(心の底に沈んでいるイラッとした気持ちを抑えるように感情をおしころしてたずねて)

男子「ん～、まぁ好きっていうのが正解かもな。俺と西村は中学3年生から同じクラスだからさ。」

あ、松本さん！次の授業なにー？
放課後さ、空いてたらだけど学校案内するよ！
(男子が話し終わってしばらくしたらトイレから帰って来て席に座ると次の授業を聞いて。笑顔で学校案内すると言うと“二人っきりやね”と言って)

(なに？
結局、なにが言いたかったの？
西村さんがモテるというのは分かったけれど、別に自分には関係ない
男子生徒を見送りながらそう思って)

次の授業は英２よ

それから放課後は忙しいからすぐに帰らなきゃいけないの
ごめんなさい

(これ以上、この子に関わらないほうがいい
漠然とした危機感を感じて、話しかけてくる相手に冷たい態度を取って前を向き
そして男子生徒が彼女のことを好きと言ったことは黙っておこうと思い)