君とイツマデモ… (GL)

松本さん、先生に怒られちゃった～♪
何してたのかって聞かれたから「松本さんが可愛かったから連れ出しちゃいました。」って言っといた。
(笑顔で怒られちゃったと言ったあとに躊躇いもなく可愛かったからと言って。それだけ告げると“お手洗い行ってくる”とトイレに向かって行き)

男子「あれだよ。あれ。平気で可愛いとか言っちゃうところ。ああいうところが西村の男子からも女子からもモテるところだよなぁ……あ、何かごめんな。色々話しちゃって…」

単にバカ正直なのか節操がないのか…

でも、それって可愛いとか言われて簡単に舞い上がっちゃうほうにも問題があるわよね

(自分の言いたいことだけ言うとさっさと去って行く相手の後ろ姿を見ながら、男子生徒に彼女だけが一方的に悪いわけではないと話して)

……あなたも
西村さんのことが気になっているの？

(心の底に沈んでいるイラッとした気持ちを抑えるように感情をおしころしてたずねて)

男子「ん～、まぁ好きっていうのが正解かもな。俺と西村は中学3年生から同じクラスだからさ。」

あ、松本さん！次の授業なにー？
放課後さ、空いてたらだけど学校案内するよ！
(男子が話し終わってしばらくしたらトイレから帰って来て席に座ると次の授業を聞いて。笑顔で学校案内すると言うと“二人っきりやね”と言って)

(なに？
結局、なにが言いたかったの？
西村さんがモテるというのは分かったけれど、別に自分には関係ない
男子生徒を見送りながらそう思って)

次の授業は英２よ

それから放課後は忙しいからすぐに帰らなきゃいけないの
ごめんなさい

(これ以上、この子に関わらないほうがいい
漠然とした危機感を感じて、話しかけてくる相手に冷たい態度を取って前を向き
そして男子生徒が彼女のことを好きと言ったことは黙っておこうと思い)

わかった……まぁ、忙しいのは仕方ないよね…

何でそんなに冷たいの？もっと優しくしてや。

(断られると仕方ないと自分に言い聞かせるように言うが寂しそうな顔をして優しくしてと言ってみるが、教室に先生が来たことに気づき話すのをやめて)


(それから1週間くらい経ち…いつの日にか2人ともあまり話さないようになっていて…)


先生「もうすぐで修学旅行なんだが、実行委員を決めないといけなくてな…立候補者が出て来ないから……くじで決めることにする！人数は2人男女関係なし。」

先生「とりあえずくじで出た人黒板に書くからな！…………えーとっ、1人目が西村だな！………2人目は松本。では西村、松本よろしくな。」

え…そんな急に言われても……

(自分には関係ないと思い、体育をやってる人たちを窓から見ているといきなり名前を呼ばれて驚き。くじで決めるなんてこと聞いていなかった為よく理解できず、相手を確認すると最近話していなかった彼女の名前が書かれており嬉しさと不安で複雑な気持ちになり)

(あれだけべたべたとくっついてきていたあの子が、気がつけば席が隣にもかかわらず話すことすらしなくなり

これでいい、と自分に言い聞かせながら
心の底にもやもやとしたものを抱えつつ数日が過ぎて
目立たないように、という思いがクラスでの孤立を深め、１週間もすると転校生という珍しさも薄れ自分に見向きするものはだれもいなくなった)

(そんなある日、くじ引きで彼女とともに修学旅行の実行委員に選ばれてしまい
不満も不安もあったけど名前を呼ばれるととりあえず、はい、と返事をして)

えっと、松本さんよろしくね。
松本さん……明日から活動あるみたいだから…この資料目通してって先生が。(前とは違うたどたどしい喋り方で少し下を見ながら上記を話して資料を渡して。前までは知っていても甘えるように彼女に聞いていたが、今は自分で次の授業の準備をして)……あ、次は移動教室か！(友達に移動教室だよと教えられると笑顔で上記を言って移動し始めて)

こんなのに当たるなんて
お互いツイてないわね

ええ、西村さん、よろしく
ありがとう

(数日前とずいぶん違う様子に少し気になりながら資料を受け取って
相手が他の友人と教室を出ていくと、こちらも準備をして後を追って)

(──翌日、放課後
学年の修学旅行実行委員の集まりがあり
放課後に学校に残らなければいけないことや西村さんといっしょにいなければいけないことに不満と不安を抱えて
とりあえず帰宅の準備をして)

ねぇねぇ、松本さん！
どこ集まればいいやっけ？笑
学年会議室で合ってる？

(配られた資料を紛失してしまい机の中を漁り、探し続けていると彼女の準備を終わったところが視界に入ってきて急いで近寄ると上記をいつもの天然な笑顔で聞いて)

ちょっと待ってて！！すぐに準備終わらせるから。

(彼女に集まる場所を聞いたあとに急いで鞄をロッカーから取り出し、彼女に待っててと言うと準備をし始めて)

(相手の態度がなれなれしい以前のそれに戻っているのを見て
少しホッと感じながら、どうやら資料を紛失してしまった様子に呆れて)

あたしが持っているから大丈夫よ
必要ならあとでコピーするわ

慌てなくても時間にゆとりはあるから
それより、忘れ物しないようになさいよ？

(慌てて帰宅の準備をする相手に忘れ物をしないよう注意して)

うん！ありがと！
ふふっ、何か松本さんお母さんみたいやな。
松本さんっていつも優しいよなぁ、
(コピーしてくれるという彼女に笑顔で礼を言うと、いろいろ心配してくれる彼女をお母さんみたいだと感じて笑いながら準備を済ませて)

ねぇ、松本さん！これどうなってるん？
(どうなったらそうなるのかわからないくらい制服を逆に着ていて、制服がネクタイ式だからネクタイもちゃんと結べていなくて)

な、だ、だれがお母さんよ？！
あなたがだらしなさ過ぎるだけでしょっ？

(お母さんと言われたり、優しいと言われたりするとなにやら気恥ずかしくて
顔を赤くしながらふい、と横を向いて)

は？
どうなってるって…
こっちが聞きたいわよっ

もぉ、一旦脱いで！
ネクタイなんてフックで留めるだけでしょ？

(相手の摩訶不思議な制服の乱れに、頭に？？を浮かべながらとりあえず制服を脱がせようとして)

だらしないって……失礼な…ななやって、やればできるんやから！
(だらしないと言われるとやればできると意地を張って言い)

わかった！もう制服よくわからん……
これをこう着るので合ってる？

(制服を脱がせている彼女に制服やだと少し我が儘を言って。やっと脱いだ制服を着ようとすると最初から着方が間違っていて)

……でけへんから制服かてこんなとんちんかんなことになっとるんやろ？！

ちょ、なんでそないなるん？！
ええからうちに任しとき！

(相手の不器用さかげんにイラっとして
強引に制服を剥ぎ取ると正面からｷﾞｭｯと抱きしめて)

ちょっとおとなしくしとき？

あ、う…うん……
そんなに怒らんくてもええやん…

なな、大好きやで……松本さんのこと…

(抱きしめられると少しビックリするが、状況を理解すると照れながら返事をして怒られたことが気に喰わないらしくぶつぶつと文句を言って。彼女が制服を着せてくれてると知ると少しずつドキドキとして大好きと言うと優しく抱きしめて)

別に怒ってへんし？

う、うちは別に……っ

ただ、こないしたら西村さん落ち着くゆーてたから…
もう落ち着いたんやったら離すで？！

(自分の行為に照れて赤くなりながら
相手がおとなしくなったので離れようとして)

ななの言ったこと、ちゃんと覚えててくれたんやな。

離さんといて？もっとこうしてたいやんか…
集会まで時間あるんやし…

(自分の言った言葉を覚えていたことが嬉しくて笑顔で言うが、離れようとする彼女に離れないでと優しく抱きしめて)

せ、制服着やんとアカンやろ？！

こんなんしてたら着せられへんやんか！

(こちらも抱きしめられると恥じらいを浮かべながら、離してといいつつ無理には離れようとはせず
心臓がドキドキとして)

わかった…またあとで、ぎゅーしてあげる♪
ふふっ、実行委員の相手が松本さんでよかった！

(彼女にいろいろ言われて少し落ち込んだような表情と声をしたがすぐにいつもの笑顔になりぎゅーすると言って。実行委員の相手でよかったと言って微笑み)

べ、別に
していらんし…

(またしてあげる、と言われると恥ずかしそうに口ごもりながら、ぷいと視線を逸らして)

ほ、ほら
制服着るんやろ？！
手、後ろにやって

ったく、朝どないしてるんよ？

(相手の後ろに回って
制服を着せようとしながら、さっきの男子生徒の言葉を思い出して)

……別にだれでもええんちゃうの？