今が西暦何年かって?そんなのどうでもいいだろう。
そんな答えを返す人間がいるくらい、腐りかけの未来。
裏では違法な薬が蔓延し、警察が取り締まっているが掴んでいるのは全て蜥蜴の尻尾である。それでも清廉潔白に表で生きる人間には害はないだろう。だが、薬に手を出せば、一歩でも裏に踏み込めば最後。引きずり込まれて逃げ出す術はない。娼婦でも何でもいいから生き延びる術を見付けなければ…。
裏社会では表の政府とは別でヤクザやマフィア、或いはどれでもない集団が国を分割して統治している。薄汚れていてもそれでもどうにか生きていく事はできた。
ここまでは、良かった。なんて口にする人間は沢山居る。
「それ」の名前は“パペット”。勿論名前通りの可愛い存在ではない。突如現れた吸血鬼、屍食鬼何とでも呼べる怪物。見た目は物言わぬ人間だが口を開けば耳まで裂けて不揃いな牙が露出する。そしてそれらを使役する“人形師”。これまた何処から現れたのか死体或いは生命力の弱った人間に憑依して“パペット”と“人形師”を殺す、天使でも悪魔でもない高次的存在、仮称“死神”が現れた──。
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