匿名さん 2018-08-03 00:08:59 |
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……お!……え?……はあぁぁあ!?
(森を包む静謐を破りながら進むことに少々の決まり悪さを覚えつつも、歩き続ければ、前方に火明かりの気配を感じて。僅かに首を伸ばし、目を凝らして少し遠くを覗き見てみると、なんと、そこには複数の人間がいた。しかも、使っている言語にも聞き覚えがあり、予期せぬ幸運に否応なく期待が膨らむ。弾んだ声を漏らせば、すぐにでも助けを乞おうと駆け出しかけたが、その途端に雰囲気がおかしいことを察知して、ぴたりと動きを止め。寸でのところで飛び出さずに済み、その場で暫し様子を伺うと、演じられた狂宴に素直に驚く。思わず、自身の手を口元に当てれば、声量だけはぎりぎりで抑えられたが、瞳は丸くなり、唖然として立ちすくみ。頭の中には幾つものクエスチョンマークが浮かび、漫画であれば、頬にも露骨に冷や汗が伝っていることだろう。それぐらいに、現実をどう解釈していいのかが分からなかった。だが、傍らの少年の"不快感に満ちていながらも甚く冷静な言葉"でハッと我に帰れば、身体の硬直も解けて。先を行こうとする少年の沈着さに内心では感心しつつも、その態度を倣うことはできず、慌てたように「待てよ…!」と声をかければ「……少し、様子を見てみないか」と続け。どう好意的に解釈しようにも、連中は紳士には見えない。はっきり言って関わりたくない部類の野蛮人だし、大人数で武器も持っているとあれば、話しかけるどころか、見つかりたくもない相手だ。襲われるようなことがあっては、元も子もない。しかし、自分たちの他に知的な生命体がいるのか、そこから全く怪しかったこの世界で出会うことのできた"人類"でもある。このまま素通りしてしまうことには、一抹の躊躇があった。聞きたくもない卑語が飛び交っているように思えるが、その中からでも何かヒントを得られないだろうか。もしくは……現状が夢でないのなら、この世界はあの失踪事件とも何らかの関連があるのかもしれないし、それなら、連中の中に人相を見た覚えのある者もいないだろうか。……確かめたい。子供には聞かせたくない言葉、見せたくない光景が展開されていることは分かる。それでも、情報が得られるかも、という期待が黙って立ち去ることを許してくれなかった。自分自身、連中の視界に入らないよう気を配り、身を屈めつつも)
レニーも伏せろ。何かあった時の為に耳は塞いじゃ駄目だ。ただ、茂みに隠れていて何も見なくていい。聞こえる言葉も意味は考えるな。
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