匿名さん 2018-08-03 00:08:59 |
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…わかった。
(言葉に同意し、折れていく木の枝に視線を移しながら背中を黙って着いていく。念のため背後に気を配り、振り返るものの先程まで留まっていた場所はもう何処にも映らない。地面を踏みしめる度に小枝が折れる音が響き、静かな森の中では一大事の様に感じられる。少し進むと仄かな火の明かりが、木々に囲まれた中にある。燃え上がる臭いもしない為、どうやら火事ではないようだ。それと同時に賑やかな人々の声、紛れもない人間の言葉、思わず安心感を覚える元の世界の言葉。しかしよく耳を澄ませると教育に宜しくない、記すのも憚れるようなとんでもない言葉が飛び交っているのが分かる。…一人の男がもう一人に食ってかかり、周りはそれを囃し立て、やがては殴り合いの乱闘。肉を刺し抉り、殴り、掴み、何でもありのデスマッチに当てられた観客はナイフと共に鮮血を撒き散らし下品な笑い声を響き渡らせ。まさに人間の皮を被った狂人達の集会、木々に囲まれている為此方から全貌は見えないのが唯一の救いか。非人道的で下品な言葉、乱痴気騒ぎに対する嫌悪感を隠そうともせず「行くぞ、ここに留まってる意味はない」と声をかければ少年は一人でずんずんと進む。しかし、人間の言葉が伝わる生物がここいるという事は分かった。君は情報を集めてもいいし、見なかった事にして先を急いでもいい。 )
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