匿名さん 2018-08-03 00:08:59 |
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…レナード。姓は分からない。
( 緩かな笑みに押されつつ、そう曖昧な返答をすれば何かを訴えるかの様に目を伏せる。察しろ、とでも言いたいのだろうが残念ながらそれだけで事情を察する事が出来るのは超能力者ぐらいだ。肩書きと名を聞き少々安堵したらしいものの、神経が過敏になる独特の空気は解けそうにない。あらゆる事態に思考を張り巡らせる事も、此方の想像を易々と飛び越える現象が頻繁に起きるこの空間では無駄に終わる。それを理解したのか、少年はゆっくりと息を吐き、何かを諦めたかの様に空を見上げる。そしてまた新しい棒を拾えば、地面に今度は意味のある字と記号を描いていく。大きな四角の中に文字を書いていけば、現在の状況を整理しているらしく。角ばった字で書かれているのは現在地、左には海、そして?マークが四角の中の大部分を占めている。課題、目的、行動と単語を右上に書けば枝でカツンカツンと地面を叩き。そもそもここが現実の世界なのか、自分達は巨大なシュミレーション施設に囚われているのか、それたもまたそっくり別の世界に飛んでしまったのか。水槽の脳、麻薬によるトリップ、或いは精神異常者が見ている妄想説も可能性としては否定できない。悩みながら導き出した要点は、ここから現実世界への帰還が可能かどうか。それを書き出せば、一息つくように眼を擦り当てもない疑問をぶつけ。 )
この状況は何なんだろうな、僕らがさっきの現象を錯覚していたと考える方が簡単だが。…ハロルドは、ここに来る前に何をしていたんだ?
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