主 2018-06-04 19:42:58 |
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(気の抜けた声が聞こえ、口の中に入れていた棒付きのキャンディを噛み砕いた。桃色をしていたそれは人間から貰ったもので、血液以外に味覚が機能しない己からすればプラスチックの固形と大差ないもののとりあえず口にしてみている、がやはり美味しいかと言われれば微妙だ。とにもかくにも廊下まで聞こえた声は近くの暖炉からだろう。むやみに廊下を歩くと危ないと伝えてやろねばならないかと進行方向を変え、無駄に硬いキャンディを飲み込めば暖炉に顔を出し。)
…って、忠告の意味で来てやったんだけど、
(暖炉の前の人影は、何が何だか分かっていないような表情で佇んでいた。何となく何事かを察し、小さくため息を吐いてぼやく。どうやら彼女は送り込まれて間もない人間らしい。見つけた以上最初の案内をするのが吸血鬼の役目でありルールだ。守らなければギルに罰則を受けさせられるのは目に見えているし、声をかけない理由もない。静かに近付いて距離を詰め、まずファーストコンタクトとして特に何も考えず発したのは「よう、痕無しの嬢さん」という挨拶だった。)
見つけた俺が言うのもなんだが、早く身を隠した方が良かったな。_おにーさん含め、痕がねえとどうも気持ちが昂ぶる。
(痕がない。つまり吸血をされたことがない人間というのは貴重なものだ。うんうんと1人納得するようにそう語りかけ、にっこりとはいかない口元だけの笑みをくれてやる。キャンディの棒を暖炉に投げ入れ、少しだけ勢いを増した炎をちらと見やれば小さく首を傾げてみせ「とにもかくにも嬢さんとは初めましてだ。何が聞きたい?」と尋ね。)
(/ それではビターにてお迎えにあがらせて頂きました!
何かあればお気軽にお声をかけてくださいませ…!/蹴推奨)
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