主 2018-06-04 19:42:58 |
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…隠し方が下手だな。
心の声は留めておくということを知らなかったか。…それともわざとか?
(声が聞こえ、静かにそちらへ視線をやった。いつか見た若い女が拭き残しがあると告げ、小さく呆れたような言葉を続ける。まさか聞こえないとでも思っているのだろうか。彼女が最低だ最悪だと口にしていたのは耳が衰えていなければ真実で、己は自分を疑うことを知らない。口元を拭いハンカチを折りたためば、静かに口角を上げて彼女を見やり。)
珍しいことがあるものだな。お前が好んで声をかけるとは思っていなかった。
…何だ、お前もあの人間の様になりたいと思ったか?
(決して好かれていないことは知っている。そもそもこの館に住まう人間で吸血鬼に肯定的な気持ちを持つ者自体が少ないし、いくら人間が多いとはいえ短いスパンで血を抜かれるというのもいい気はしないだろう。だから彼女も、いや彼女は頭ひとつ抜いて己ら種族が好きではないだろう。そんな彼女を負かしたいと思うのはこちらも同じで、彼女にはあり得ない思考をさらりと述べれば愉快だと言うように目を細め。)
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