主 2018-06-04 19:42:58 |
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(何だか屋敷の様子がおかしかった。パーカーを着て廊下にふらりと出たは良いが見たことのない絵画と花…心無しか華やかになっているような。人間のような娯楽趣味、まったく誰のものなのかと心の中で呟いたのは悪気なくだ。そんな花の香りに紛れて強く香った鉄の香りはどこか非日常的で、まるで毒を振り撒いて誘うような強烈な色香を纏っていて…足をそちらに向けたのは必然だった。まず目に入ったのは向こうから走って隣をすり抜けて行った人間、血塗れの。それからその先の…吸血鬼。最悪だ、食事シーンの遭遇は免れたとはいえ血塗れの人間も血塗れの吸血鬼もまだ心臓に悪い)
本当、悪趣味…最低、最悪
(視界にいれた白いハンカチは真っ赤、吐血でもしたのではないかと疑うほどに。ぎゅっと胸の前で握りしめた手は白くなっていて、それでも目の前の男に声をかけたのは見て見ぬふりをして後から怒られるなんて嫌だからだ。壁に肩を預けて、彼から少し離れた位置から「まだ少しついてますよ、口。食事のマナーが相変わらず…まあ、良いですけど」、そう声をかけてからルージュのようだと思ったのは現実離れした彼の美しさが原因だろう)
(/お迎えありがとうございます!変わらず綺麗な文章にそわそわしております。またよろしくお願いします!)
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