主 2018-05-19 00:25:47 ID:6c097ff19 |
通報 |
>>59 エルティア姉様
それだったら…僕はその青い鳥とやらは捕まえにはいけません…だって、兄弟みんなの幸せが、僕の…僕が幸せになれる唯一の事なんです。だから、僕は青い鳥を捕まえません。エルティア姉様に幸せに、僕のようにはなってほしくないから。
(姉にもそれなりの理論が有ったのだろう。そんな大切な姉の考えを押し退けて自分が本当に傲慢で強欲なのかと知った。でも、そんな風に罵られたとしても、姉には昔のように優しく微笑んで欲しかった。青い鳥を探しに行けば、自分達だけが幸せになって姉だけを残していってしまう気がしてならなかった。自分だけが幸せになれずに他が幸せなんてどんなに辛いことだろう。話しているだけで安心するような姉の声には何度も救われ、何度もその声を聞いて優しさと幸せをもらった。引きこもりがちだった姉と前みたいに話がしたいと思っていた。その願いがやっと叶ったと、そう思えたのに。姉が泣いていては、引きこもっていたのとそう変わらない。だから、姉の涙を止めるにはと青い鳥に目を向けたのだがダメだった。一体何をすれば笑顔で居てくれるのだ?そう思っていると、姉が、自分達が笑っているだけで幸せなのだと言った。そしてあの優しい顔で微笑んだ。そして、一つの解決策が思いつく。この約束がいつまで有効なのか。それを言わなかったのが少し後悔したことといって良いだろう。そしてハンカチをそっと返すといつの間にかじわじわと目の外側まで迫っていた涙を袖で拭って微笑みこう言った。
分かりました。じゃあ僕は姉様が笑ってくれるまで、ずっと待ってます。だから、いつか笑って下さいね。可愛い妹との約束です。
>>61 アルフ兄様
…ご…はん…。
(どっちにするかと聞かれ、真っ先に思い浮かぶのは兄の美味しい朝御飯だ。そう思うと直ぐにこの部屋から出なきゃと思い、キィッと音をたてドアを開ける。数歩前には兄がいて、安堵のため息を付いて兄は予想もしなかっただろう行動に出てみる。兄はきっと先程までドアに向かっていたのだろう。自分と話をするために。そのことを思うキュッと胸が締め付けられるが、そんな余韻に浸っている場合ではない。少し背伸びをして、兄と同じくらいの背の高さになると、空気を包むように兄がいたと思われるところを抱きしめる。そして数秒して、それを終わらせると少し恥ずかしかったが、「…ありがと、アル兄。」と小声で呟く。パンパンっと乾いた音を鳴らして頬を両手で叩くと、いつもの笑顔に戻り兄の横を通りすぎると走りながらクルクルと楽しそうに回転して、笑いながら離れた兄にも聞こえるようにこう叫ぶ。離れたのは恥ずかしかったからではない。嬉しさで出てしまった涙を誤魔化すためだった。
早く~僕のお腹がアル兄のご飯を求めてるよぉ~!
トピック検索 |