主 2018-05-19 00:25:47 ID:6c097ff19 |
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>>100 アルフ兄様
ありがとうございます、アルフ兄様。
(開けられた扉から中庭に出ると、一瞬眩しさで目がくらむ。永いことこの城に住むが、あまり外に出ない自分にはあまりにも新鮮だった。花の香りを溜めるように肺に吸い込んでは吐く。お茶会をするにはうってつけの天気なのだろうと思うと同時に、ふと城下の様子が気になった。気にしたところで意味はないが、人間のころは外が好きだったなあ、と思う。もちろん家で本を読むのも好きだったが、兄弟で出掛けることが何よりも楽しかった。あの頃に戻れないのだろうか。そんな願いはあるものの、この感情を捨てることはできない。してはいけない。それこそ短い時を生きる人のために。すぐに沈みそうになる気分を変えるように軽く首を振り、持っていたティーカップが乗った盆をガーデンテーブルの上に乗せて)
>>101 シオン様
あの、ごめんなさい……。
やっぱり、人違いでは、ないでしょうか……?
私、城に住んだ後も、住む前も、貴方のような方に、出会った覚えはない、ので……。
(ショックを受けたような彼の表情に、どうすればいいのか迷った挙句出た言葉がこれだった。城に住むようになってからは、兄弟以外誰とも出会っていない。その前の遠い記憶。人間であったころの記憶にも彼のような人はいなかった。ただ一つだけ不思議な記憶があった。町などいろんな場所で一人で話している記憶。誰もいない場所に向けて、誰かに話すように、喋っている記憶。夢か何かを思い出しているだけかと思い誰にも話していないそれは、現実にすれば不可解だった。何となく誰かがそこにいたように思うが、思い出せない。わずかな頭痛を感じ、こめかみに手を当てて)
誰か、いた……?
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