希望者募集 2018-04-07 11:12:05 |
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今の君には…理解出来ないだろうね。───でも大丈夫だよ、僕がじっくり教えてあげるから…ね?(❛じっくり❜そう何年経っても構わない。彼を自身のモノにして、自分の存在なくては生きていけない様に執着し、寄生して、彼をドロドロの愛で溶かしてしまおう。纒わり付く様なねっとりとした声色で耳打ちすれば、スっと身体を離す。最後の仕上げに艶めかしく意味深な微笑みを、相手が自身に溺れ自身を求める、そんな姿を想像しながら相手の双方の目を見詰め、「身体に異常はないよ。…疲れたのかな?ほら、僕もさっきまで仕事だったからさ。」一瞬遠のいた意識に、一気に近ずいた彼の愛おしい顔。其れと同時に強くなった香り。あぁ、時が止まればいいのに…。と懇願しながら、すぐに離れていく彼の姿に薄らと目を細める。抱きとめられた時に背中に感じた心地よい衝撃、彼の優しさに又もや心臓が締め付けられるような感覚に囚われる。これ以上は危険だと、彼から視線を外し、台所のある方向へと移動すれば徐ろに冷蔵庫へと手を伸ばす。中を除けば、種類豊富な材料が揃っている、ふむとそれ等を見つめれば、「流石に、何年も一人暮らしをすればそれなりに料理は出来るさ。──全く君は、僕をなんだと思ってるんだい?」料理と僕はそんなに無縁に見えるのかな?生まれてから今まで、取って付けた様な手際だが、ある程度の物は作れる様にはなった。だが、流石に相手の珍しいものを見た、と言わんばかりの表情に、自身は人間だと思われていないのではないか──と若干不安になってきた。さ迷う様に目線を手元の食材達に寄せれば、簡単な物尚且つ深夜でも食べれる重すぎない物にしよう。数分間冷蔵庫の食材達と睨めっこ、よし…とある程度案が纏まり特定の食材を取り出せば、下準備をし始める。相手の自身への釘を刺すかのような言葉に、ニッコリ微笑み分かってるさ、と目で伝える。その代わりに「ごゆっくり」と言葉を投げかければ、相手の背中を見送り、さて料理を始めよう。トントンと小気味よい一定のリズムで野菜を切り刻み、なおあと片付けも平行して進めていく。きっと、あと片付けは自分がやると言うだろう彼の為に、最低限の片付けは終わらせておこう。と手際よく進めていく、ある程度完成した料理をテーブルに並べていけば任務完了。トマトとエビのパスタに付け合せのサラダ。体の疲れを取るために、野菜をふんだんに使ったコンソメ風味のスープ。数十分程度で作れた簡単かつ栄養を考えた献立で、きっと相手も喜んでくれるだろう。ふふっと新婚したらこんな感じかと、しょうもない妄想をしながら、ゆっくり鍋のスープを混ぜていく。そうだと先程冷蔵庫から見つけたワインの事を思い出せば、いそいそとグラスを取り出す。見事な真紅の波を披露する其れを片方のグラスに注げばそっと口に含む。程よい渋さと甘さ、ほんのりと漂う葡萄の香りに舌鼓すれば、テーブルへと其れ等を運ぶ。二つのグラスに同じ量注げば、先程相手から言われた言葉を思い出す。「…毒か…。」ニヤリと怪しげな笑みを浮かべれば自身のポケットからある薬品瓶をとりだす。手のひらサイズのそれは、よく自身が仕事で使う劇薬。相手の動きを封じる痺れ薬といったもので、透明で料理などに混ぜやすく、即効性のそれは使い勝手がよく常に持ち歩いていた。今、それが必要になるとは思っていなかったが…。相手の苦痛に浮かぶ顔を想像し、口角が引き上がる。相手の方へ置いたグラスに透明の劇薬を混ぜば、トクトクと減っていく瓶の中身をワインと混ぜ合わせていく。痛みと痺れに苛まれた彼は、助けを乞うのだろうか…それとも苦痛を必死に耐え自身を罵倒するのだろうか。と思考を張り巡らせて、否、どちらでも構わない、愛しの彼ならどんな姿でも美しいに決まっているのだから。再び一口ワインを含めば、鍋の日を落とし、軽い足取りで彼の入っているバスルームへと近づいていく。シャワーの流れる音に耳を傾ければ彼はまだ中にいる、慣れた手つきでスーツを脱ぎ傷だらけの身体を露出させる。タオルを腰に巻き付け勢いよく扉を開ければ、湯気の立ち込める中彼の姿を見つけた、「背中流してあげるよ!」と一言。)
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