希望者募集 2018-04-07 11:12:05 |
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(相手の言葉と逸らされた目線に、余裕のある微笑を重ねながらゆっくりと言葉を紡ぐ。「否、君は無垢だよ、さしずめ僕のような人間よりはね…。」自身よりは遥かに正義感のあり、きっと自分にはない純粋な心を持ち合わせているであろう彼は、自分にとっては目を瞑りたくなるような眩しさがある。だが職業柄彼も彼なりの闇が有るのだろう。まあ、そんな彼を受け止め、世界一愛すると決めたのだが…そんな事を考えながらも、愛しの彼の言葉に耳を傾ける。「…演技?僕の、君に対する愛情が演技だって?そんな事ある訳ないだろう。そんなくだらない事をしている暇が有ったら始末屋である君は此処には立っていないよ。」相手の言葉にピタリと身体が固まった。この好意を受け入れてもらっていない、という事は100も承知だった、だがそれが演技だと思われていたとは思いもしていなかったのだ。上記の言葉は、まるで相手が自身より劣っているかのような言葉だが実際の所相手と自分の力の差はあまり無いだろう。相手もプロだ。殺しのスキルなどほぼ独学の自分より、幼き頃から教育の行き届いている相手は、そんじょそこらの敵よりは遥かに強いだろう。だが自分も生きる為に殺しの技は極めた。きっと場数を多く踏んでいるのは自分だろう。相手の抱きしめている腕を緩めればくるりと自分と向き合う体制にする。相手の両肩に手を添えじっと目をのぞき込むようにしながら、「ごめん…少し強い言い方になっちゃったね…。でも僕のこの気持ちは本物だよ。」何時も余裕のある表情しているが、この時だけは言葉の信憑性を上げるために表情を引き締める。普段より低めになった声で相手へゆっくりと言葉をかけ、「僕が君を殺す筈がないじゃないか…泳がすね……どちらかというと君を僕以外の人と会わないように閉じ込めて置きたいけどね!」とにっこりと笑いかける。だが目は一切笑っていない。この言葉は嘘偽りではなく本物に、実行したい事の一つなのだ。今はそのときではない…と自身に言い聞かせながら、
───そうだね!部屋へ行こう!(次の瞬間にはケロリとした屈託のない明るい笑顔を浮かべる。相手の手を優しく取り地下から上の階へと行くエレベーターのある方向へ足を進める。お互い手袋をしている為体温を確認する事は出来ないが、きっと暖かい手なんだろうな…と微笑みを浮かべながら愛しの彼の手を引き。)
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