狼。 2018-03-31 22:48:57 |
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(周囲のガヤにも見向きもせず黙々と歩みを進め、そんな己に興が冷めたのか群がっていた人々は散り散りに各々の日常に戻り。目的地であるレンガ造りのパン屋の前まで辿り着けば、“closed”の看板が掛けられた扉をリズミカルに4回ノックをして。暫くするとゆっくりと扉が開かれ『やっぱりお前か…。さ、入れ』中から気だるげに煙管を吹かせては己の姿をみるなりため息混じりにぼやいた馴染みの店主が顔を出し。予め己が来ることを想定していたかのように、稼ぎ時にも関わらず既に人払いが済まされた店内に案内され。仄かに煙草の匂いがあるものの、店内は焼き立ての香ばしい香りが漂い、ショーケースの中には小さなカップケーキや甘い菓子パンが綺麗に陳列されていて。ケースの外に並べられたバスケットは、多様なパンが各種2つずつ用意され、パンの他にもガラス瓶に詰められたジャムやマーガリンなどが豊富に取り揃えられて。煙管を咥えたまま、一度亜人の彼に視線を落としじっと見詰めるも、興味なさげに表情を変えずることなくゆらりと店の奥に消えて。店主が奥に消えると緊張の糸が切れたようにへなへなとその場に座り込み大きく息を吐いて。疲弊しきった表情を浮かべては「…好きなの選んでいいよ。ジャムパンはあそこね。2個以上同じのが欲しいときは言ってね…」彼にぎこちない笑みを見せては力なくショーケースの隣の下の段にあるバスケットを指差して)
(/この時期は何かと忙しいですからね。了解しました。もしかしたら当方もお返しできない日が出てきてしまうかもしれませんのでお気になさらずに。お互い無理のない範囲で楽しみましょう!)
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