狼。 2018-03-31 22:48:57 |
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ええ。人間も亜人も、絵描きの私にとっては関係ない。
私はただ、キミを助けたいの。
(自身の素直な気持ちを真っ直ぐと相手に告げて。この街の人々が亜人に対して口にしない言葉を彼らに掛けては毎度の事ながら疑われる。それは人間に対しても同じことで、今となっては絵のモデルにと言えば耳を貸してくれるが、この街では亜人に関わる人間は変わり者扱いされる。小さな彼の反応からも、本当の意味でその言葉を掛けた人間はいないのだろうと悟りつつ。警戒を解かずに獣のようにじっと見詰める彼に目を細めては、徐々に緊張が解れてきた様子に安堵し)
キミは優しくて強い子なんだね。
――ほら、大丈夫。怖くないでしょ。
(己と同じ人間に痛め付けられたにも関わらず、その小さな躰から発せられる言葉一つ一つに胸を痛め、牙を向けない彼に視線を反らさず言葉を返し。ゆっくりと歩み寄ってくる彼に直ぐにでも触れ介抱したい気持ちをぐっと抑え、大きな懐で待ち構えて。伸ばされた手を包み込むようにそっと握れば大丈夫だと言葉を繰り返し、うっすらと瞳に涙を浮かべて)
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