罪独 2018-03-11 18:58:21 |
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(怯えたように揺れる細い肩は背負った恐怖を露わにしていた。その様子を見ればそれ以上何か言うことも出来ず、ただ頷くとあとは黙って振動に揺られる。これから先、罪を犯さずに逃げることなんて出来るのか。迷う自分の肩に何かがこつん、と当たり、見れば眠ってしまったらしい彼がうつらうつらと揺れていた。体を引き寄せて自分に凭れさせ、穏やかな寝顔を眺めると不思議と愛しさが湧いてくる。この子に罪悪感や庇護欲以外の感情を抱くのはおかしいだろうかと、頰を撫でながら考えて「──ずっと…こうやって一緒にいたいね」気付けば言葉が勝手に出ていた。自分のせいで罪を背負わせた子をそんな風に想うなんてどうかしているけれど、本音だった。この子の為なら何でもしたいと思えるほどに。寄り添うように体を動かせば足元のリュック、そこに放り込まれたままの凶器が決意を示すように硬い音を立てて)
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