罪独 2018-03-11 18:58:21 |
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──良かった…おはよう。部屋にいなかったから心配しちゃった。…あんまり一人で何処かに行かないで。
(眠っているのか起きているのかわからない、疲れの取れない曖昧な眠りを繰り返すうちに朝が来ていた。はっきりと覚醒したのはテレビの音が布団越しに聞こえてきたからで、穏やかな天気に似合わない"殺害"という響きの物々しさ、そして彼が犯人と断定されていることに心臓が凍りつく。だから彼が息を乱して部屋を出た時、このまま帰ってこないのではないかと不安になって飛び起き、扉の前まで行ってしまった。手をかける前に彼が顔を覗かせたのですぐ安堵の息をつくことができたが、拭い去れない不安感からその手を握ると乞うように言い聞かせる。肝心な時にそばにいなければ守ってあげることもできない。警察や大人や、あるいは罪そのものから。手を離し、部屋に戻ると布団や荷物を片付けながら、彼に背中を向けたまま「…そういえば…誠くん、いくつだったっけ」何気ない雑談のように問いかける。少年法だとか殺人幇助といった詳しい話は知らないけれど、万が一の時罪を減らす方法はあるはず。まだ幼い中学生と、"動機"のある大人なら尚更。きっと彼は悲しむだろうから、考えていることを悟られないように腕は淡々とシーツを畳んで)
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