罪独 2018-03-11 18:58:21 |
通報 |
はい、よろしくお願いします。
(近くなる距離。仄かに香る甘い香りが鼻孔を擽れば、同級生達とは違うものに胸が高鳴る。なんて単純なのだろうか。たった少し近付かれただけでこんなにも容易く彼女に溺れそうになる。髪に触れる細く、小さな指と掌。髪に触れる熱風が少し冷え掛けていた身体を暖める。終始、何か喋る事はなく、ただ行ってもらう事に喜びと、悲しみを感じる。この逃亡が終わればこう言うのも無くなってしまうのだろう。母の様な優しい手付きに心地好さそうに目を細める中、途端に行為が終われば次いで肩に添えられた手にどうしたのかと問いかけようとして振り向こうとした瞬間。突然に彼女の方へと抱き寄せられる。)
....、そんなこと、言わないでください。僕は、貴女を救いたかったからいいんです。僕は貴女がいなきゃ何も楽しくない、世界が白黒なんです。でも、雪乃さんの周りだけは鮮やかに映る。それを無くしたくなかったからああしました。貴女さえいればいい、だって僕は雪乃さんが...、雪乃、さんが....。
(辛そうに、苦しそうに彼女の唇から溢れた言葉に体制を変え、正面を向いて彼女の手を握れば淡々と溢れてくる言葉を、気持ちを、想いを伝える。終盤の方、好き、と言う言葉を言いかけるも喉の奥で其れが詰まれば「たいせつ、だから。」と言葉を変えた。言い切ると同時に目線が下がる。危ない、これ以上彼女に余計な物を背負わせるところだった。そんな馬鹿げた事は出来ない。す、と立ち上がれば)
寝ます。おやすみなさい。
(泣きそうになるのを堪えながら早口に伝え、2組ある内の一つの布団に入り背を向けた。
トピック検索 |