主Y 2018-02-05 01:21:11 |
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>骸
部屋の不気味さに戦慄していると
『……不気味、でしょう?』と背後から少し低い声で囁くように言われ、隼人は心臓が跳ねる。
そして『安心して下さい。普段から此処で暮らしている訳では有りませんから 』とその後付け足されるように言われ、そういえば骸が後ろにいる事が一瞬頭から抜けていた。後ろをゆっくり振り向くと骸が薄く笑ってることに気づく。ビビっていたがわかっているのだろう。今までの行動が急に恥かしくなる。それなら此処は......?どこなんだろう。そもそもこの部屋、間取り的に館のものでは無いのかな。なんとなくの予測だけど。その疑問は直ぐに、種明かしとでも言うように彼が説明してくれた。要するに此処はやはり館ではなく俺の妖の力を診るところだそうだ。どうやってワープしたのかはあの鍵が特殊みたいだ。青いロボットが使ってたドアみたいなものだろう。劣化版だろうけど、でもこんな術が使えたら便利だろうなぁ。そんな事を思っていたが、骸が真ん中に立ちように手で示したので、魔方陣の、燭台のそばに立つ。そして
「あの、どうすれば?」
と、緊張とした面持ちで言うと
>出雲
「ありがとう」
俺は振り向かずそう答える。彼女は俺の頼みを受けてくれたが、顔は見えないけど声音で彼女の中に葛藤があった事がわかる。
猫は人混みを嫌うと言うが彼女ももれなくその性質に適用されていたのだろうか?ならば悪いことをしたかなぁ。彼女の優しさに漬け込む感じになったが、他に頼める人がいないのも事実。なので罪滅ぼしに彼女に今度何か買ってあげようと心に決める。そんなこんなで件の団子屋に着いたので
「此処だ、出雲。いい店なんだここ」
店に着いた。見た目こそ地味でこじんまりしているが味は俺のお墨付きである。
「じゃあ、買うか!」
そう言いながら店に入っていくと
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