……入ってこいよ(BL)

俺は朝だろうと構わないが。…まあそれは冗談としても、起きる前に少しいちゃいちゃ程度はしたかったかもな。(動揺する相手とは正反対に平然と告げた後、今度は本音なのかふっと笑みながら頬に口付けるとそっと解放し) お前も食うだろ。(声をかければ先に席に着いて相手を待ち)

……したぜ、朝先に起きた時に……お前の寝顔、何かすげえ良かったから…き、キス(イチャ付きたかったと聞かされると少し間を置けば朝最初に起きた時に相手に口付けした事を告白し顔を赤くさせながらそれが自分の中でイチャ付いた事だろうと思いテーブル前に座り)……お前、今日紙袋持ってた方が良いんじゃね？(バレンタインデー故に会社の女性陣からチョコを沢山貰ってくるだろう。其れを不機嫌な声色で。)

ヘェ…お前にしちゃ大胆だな。寝込みを襲うなんて。(目の前に相手が座るとやや身を乗り出し顔を覗き込んでからかって) 紙袋…？(言葉の意味がわからないというような表情を向けるが、不機嫌な彼の様子から漸く今日が何の日か気付き、にやにやと笑みを浮かべ) なにその程度で妬いてんだよ。職場でもらうチョコなんか全部義理だろ。全部お前にくれてやる。

お、襲ってねえよ……お前が無防備過ぎんだろっ！(目の前の相手の顔と言葉に動揺しながらも仕返しと言わんばかりに相手の頬を軽く引っ張ってやり。)義理……？んなわけねえだろ去年貰ってきたチョコ全部ゴテゴテのハートの形してたじゃねえか。絶対本命だろ……つか、妬いてねえし。(去年のバレンタインを思い出すと更に機嫌を損ね拗ねた子供の様な態度で)とりあえず、今日は……早く帰って来いよ。

俺は襲う方が好きだが、お前ならいつでも歓迎してやるよ。(つねられても尚楽しげに笑い) …そうだったか？あんまり興味ねぇな。妬いてなきゃ何なんだ？…わかりやすい奴。(こんな相手が可愛くて堪らずついついクク、と声を洩らし。いただきますと手を合わせればフォークを手にし) わかってる。浮気しないで真っ直ぐ帰宅してやるよ。ほら、さっさと食うぞ。

襲ってねえって言ってんだろー！(否定するように声を荒らげるも機嫌が良い相手の笑顔には弱くそれ以上強く言えず眉根寄せ)だから、チョコとかあんま食うと虫歯になるんじゃねえの？(妬いてる事を気付かれたく無くチョコならではの適当な理由を述べながら手を合わせ朝食を食べ始める)……美味いか？(今日の朝食の味付けは相手の口に合うだろうか尋ね)

興味ないから全部やるって言ってるだろ。相変わらず素直じゃねぇな。(頑固な相手を前に溜め息。しかしそんな部分も好きなのか薄く笑みを浮かべており) …ああ、美味い。っつってもサラダと目玉焼きだけどな。(素直に頷くも、後から味付けも何もないとばかりにからかってやり)

い、いらねえよ！そんな……他の女から貰ってきた食い物なんて貰ったって全然嬉しくねえし……(聞こえた溜息に一瞬焦るも本音を言えば眉根寄せ)……っ、今日の晩飯はとびっきり美味いもん作ってやるよ(言いながら朝ごはんを全て平らげるとご馳走様と皿を台所へと運んで)

(此方も綺麗に平らげ食器をシンクの方へ運ぶと隣に立ち、頭を軽く抱き寄せるようにして耳元でやや咎めるように) …そういうお前も女から貰うんじゃないのか？割とよく電話寄越してくる女居るよな。

女？……あぁ、大学でたまに授業が一緒になる奴だ俺はチョコとか興味ねえし貰ったりしねえよ……もしかして妬いてんのか？(確かに最近話すようになった女友達は居るが顔見知り程度と、それよりも相手が自分に妬いてくれてるのかとそっちの方が気になってしまい)俺はお前しか……居ねえよ、バカ(最後は、普段よりかは少し柔らかい言い方で答え)

ああ、妬いてる。お前は俺のものだからな。(直視しながらすっと頬を撫でると、包み隠さずさらりと告げ) そんなの知ってるさ。お前見てりゃバレバレだ。(憎まれ口とは裏腹に此方も口調や表情は柔らかく)

なっ……お前、良く……んな恥ずかしい言葉(相手の真っ直ぐな言葉にグッときたのか思わず赤面してしまい)う、うるせえ！分かってんなら……妬く必要ねえだろっ(妬かれた事は内心嬉しく緩む頬を食いしばりながら何時もの口調になって)

俺はひとつも恥ずかしくねぇよ。本心だからな。こうして言葉にしないと誰かさんは不安になるしな。(分かりやすく変わる顔色に瞳細め、愛しさの余り耳朶を柔らかく食んで) …わかっていても許せねぇんだよ。お前に近づく奴がいるのは…。(そのまま唇で耳元擽りながら独占欲を露にするよう抱きしめ)

別に不安がってねえって……っ(誰かとしか言われて無いが思わず反応してしまい直ぐに気付けば罰の悪そうな表情を浮かべ)わっ、ひぁっ、バカ野郎。擽ってえし(耳朶から感じてしまい声を洩らすと口許を手で塞ぎ)……っ俺はお前のだし……お前は俺だけのだろ、俺だってお前が俺の知らない顔を他の奴に見せてるとかすげえ気に食わねえし、くっ付いてくる女もすげえムカつくし(相手の会社での姿を一度見た事を伝えれば眉根寄せ)触んなって……なる。(抱きしめられながら本音を語ると赤くして)もう、良いだろ！遅刻するぞっ

朝から変な声出すな。その気になる。(己の行いは棚に上げ、声をあげる相手をからかうように咎めれば口許隠すその手の甲に口付け)お前の独占欲はいつ聞いても気分がいいな。後でもっと聞かせろ。(満足そうに笑み頬に軽く口付けるとすんなり解放し、出勤準備を始め)

んな声出してねえし……お前が、触ったりすっからだろ(まだ熱い熱が残る耳は擽ったく触れながら眉根下げ)ぜってえ、もう言わねえから(言った後で恥ずかしくなり自分も出る準備をして)

お前が言わないつもりなら言わせてやるよ。(自信ありげに口角上げ)…じゃあ行ってくる。お前も気を付けて行けよ。夕食楽しみにしてる。(準備が終わると時計をちらりと見やり、相手に近づき頭をぽんと撫で)

ぜってえ、言わねえからなっ……(念を押すように口調を少し強めに言い直すも頭を撫でられると一瞬気が弛んで)お、おう。お前も気を付けて行って来いよ。(相手を見送ってから自分も学校へ向かおうと)

(昼休み。持たされた弁当を綺麗に平らげ、食後の珈琲を飲みながらふと恋人を想い。早目に帰ると約束をしたものの、待ち遠しさのあまりスマホを取り出すと『昼飯食ったか？弁当美味かった』などとメッセージを入れておき)

(昼休み同じ様に学食で持参した弁当を友人達と食べている最中携帯に触れ相手にメールを打とうとしては止めてを繰り返す中で届いたメールに少し驚き内容を見れば頬を緩ませメールを返そうとするも立ち上がり友人達から離れ人気の無い場所に移動すると相手の番号に電話を掛け)

(メッセージを送信して直ぐに着信があり。てっきりメールで返してくるかと思っていた為、少し驚くが、直ぐに通話に切り替えては話しやすい場所へと移動しながら) ──…どうした？

……っ、あ、いっ、めっ！飯ちゃんと食えたみたいで良かったなって思ってよ。今電話大丈夫なのか？(仕事中なら電話を切ろうと思っていた為相手が出れば慌ててしまい深く深呼吸をすれば)お前の……声聞きたかったから電話した。

ああ、昼休憩だからな。お前は昼は済んだのか？(慌てた様子が電話越しに伝わればふっと笑みを浮かべ) …やけに素直だな。顔が見えないからか？

そうか、俺もさっきダチと食ってた……(相手も昼休憩の最中だと分かれば安堵するも言われた言葉には顔を赤らめ)っせーよ！、別に……良いだろ。ちゃんと食えたかどうかの確認のついでだついで！(ついで、と口調を強め)そういや今日の晩飯何か食いたいもんあるか？(作るなら相手の好物をメインに作ろうかと考えて)

今頃抱き締めたくなるような顔してるんだろうな。(頬を紅潮させているであろう彼の姿が頭に浮かべば、くくと喉を鳴らして笑い) 夕食か…そうだな…(昨日は和食だったし…と少し思案するも、リクエストまで然程時間はかからず) ハンバーグはどうだ？お前のハンバーグは見た目はいびつだが、味は悪くないしな。

はぁっ……？んな、顔してねえ…っ(言われた言葉には思わず周りを見渡し)ハンバーグって、前に作ったよな。別に良いけどよ今度は上手く作ってやるよ(前回、初めて作ったハンバーグは焦げたり形が崩れ散々だったが今度はリベンジと意気込み)じゃ、授業始まっから……切るな。

ああ、楽しみにしてる。午後も頑張れよ。(此方もちょうど呼ばれたので短めに挨拶すると電話を切り。早く帰ると約束した為、いつもより集中して仕事を進め)

よし……。(相手との通話も終え授業に向かえば最後まで集中し取り組み授業が終わると時間を確認して友人達の誘いも断ると足早に街の方へと向かい頼んでおいた物を取りにそれから夕飯の買い出しをすると帰宅して夕飯の準備を)

悪いな、お先。(予定より少し早く仕事を終え、残業に取り組む同僚に挨拶すれば約束通り真っ直ぐ帰路につき。彼が自宅で待っているのは今となってはごく自然て当たり前の事ではあるが、帰宅する楽しみは変わらず足取りも軽く)

そろそろ帰ってくるよな……(購入したプレゼントは寝室のクローゼットの奥に隠してキッチンに向かうとハンバーグを作り始め)っし、上手く焼けた(焦がさず焼けたハンバーグは、少し形は歪だが前よりはマシに仕上がり付け加えてコーンスープとグラタンを用意しグラタンは少々焦げてしまったのか眉根下げ)味は悪くねえ…よな。

──ただいま。(自宅に辿り着き扉を開けると食欲そそる良い香りが流れてきて。ハンバーグをリクエストした筈だが、グラタンのいい匂いもする。己の為に頑張ってくれているのだろうと思うと頬が緩んでしまい、そのままキッチンへと ) いい匂いだな。グラタンまであるのか？

おう、おかえり……後少しで出来っから(帰ってきた相手をキッチンでグラタンの仕上げに掛かりながら出迎えて)ハンバーグだけじゃ足りねえと思ってよ……でも少し焦げちまったかも(既に出来上がったハンバーグはテーブルに並んでいて)

へぇ…美味そうだ。何か手伝うか？(上着を脱げばテーブルの上のハンバーグを見ては頬緩ませ。手を洗いながら何か出来ることはないかと訊ね)

あぁ、じゃぁグラタン用の取り皿とか並べといてくれると助かる。(直ぐ、食べれるようにと手伝ってくれる相手には、まだ用意されてない皿を頼みながら)……今日、電話した時昼休みだったんだな。仕事してたら切ろうかと思ったけどよ…弁当食ってくれて……サンキュ(少しぶっきらぼうに礼を伝え)

わかった。(指示通り皿を準備しながら)ああ…電話は予想外で少し驚いたが。(ふっと笑みを浮かべると、ぶっきらぼうながらも素直な相手の頭をぽんぽん撫で) 出来る時でいい。また作ってくれ。

……飯食って、暇だったからな何となく電話しただけだ仕事邪魔してねえなら良い。(相手の顔を見れば、昼間とは別の事を言い返しながら大人しく撫で受け)まぁ、たまになら作ってやるよ(少々得意気な表情を浮かべながら晩御飯の準備が出来て)

まぁお陰でやる気が出たけどな。(ふっと笑うと出来上がった様子を見、グラスに冷たい水を注げば待ち遠しそうに) 美味そうだな。見てたら腹減った。

やる気出んなら……また作ってやるよ(相手の言葉には嬉しそうにしながらテーブルに全て並べ終えると心做しかソワソワと落ち着かず)ちょ、待ってろ……やっぱ、今持ってくる(寝室に向かうと紙袋を片手に戻り)

…？何だよ。(漸く夕食にありつけると思った矢先、そわそわした相手が寝室の方へ消えて。訝しげにしていると何やら紙袋を手にし戻る彼。不思議そうにするも、程なくして閃いて) なんだ、お前も何かくれるのか？(羞恥を煽るようわざとらしくにやにやとしてみせ)

(寝室に隠して置いた紙袋を手にし戻ってくれば相手の手前に座り)これ……って、お前もって何だよ。もしかして誰かに何か貰ったのか？……チョコとか(相手に紙袋を差し出す手前、相手の言葉が気になり眉根寄せると紙袋に視線を遣り)

貰ったものは全部同僚にくれてやったさ。(やや不機嫌な表情を浮かべる相手を見てふっと笑い) …特別な気持ちはお前のだけでいい。

ばっ、バッカじゃねーの……んな、小っ恥ずかしいセリフ良く……サラッと言えるよな。(相手にサラッと言われた発言には顔を赤らめながら後ろ手に隠した紙袋をズイっと相手の顔の前に持ってきて)やるよ……たまたま、何か良い感じのあったから買ってきた！(紙袋の中は綺麗にラッピングされたネクタイと万年筆が入っていて)

本心だ。文句あるのかよ。(そこに羞恥など微塵もないらしく不敵な笑みを浮かべ) ……ヘェ、なかなかいいデザインじゃねぇか。(何処と無く嬉しそうに受け取ると早速中を確認し、満足そうに述べ。ネクタイを手にすると早速器用に結び、似合うかと見せつけて) …どうだ？

……ねーけど……うっせえ聞くな！(余裕無い自分は顔を赤らめたまま精一杯反論しながらも相手が自分のプレゼントを身に付ける姿は、マジマジと見つめ)ふ、ふーん……結構似合ってんじゃねえか。まぁ、たまたま見つけた奴だったからな！(何店舗の店を回って探した等とは到底言えずネクタイ姿の相手を暫く見つめ)

たまたまね…。(ある程度察したのか何か言いたげな眼差しを送っていたが、ふっと笑みを溢し。ネクタイを緩めると万年筆と一緒に大事そうにしまい) まぁいい、礼を考えないとな。何がいい？

礼……？別に礼が欲しくてやったんじゃねえし……(礼と言われ暫く考えると相手をチラッと見れば)じゃぁ……俺を、抱きしめろっ(半日会えなかった事で相手に抱き締めて貰いたいのか、ぶっきらぼうな言い方で両腕少し広げ待機し)

俺に向かって命令かよ。仕方ねぇな。(命令形にも関わらず可愛く思えてしまいクツクツと笑えばそちらに向かい、ぎゅっと抱き締め軽く口づけ) …続きは後でな。折角作ってくれたご馳走が冷めるしよ。

う、うるせえ……別に命令じゃねえし。お前が礼を考えろって言ったんだろ……っん、(抱き締められ相手の胸元に顔を埋めた後、口付けには頬染めながらも名残り惜しそうに離れて)今日の、ハンバーグは上手く焼けたんだぜ？(若干焦げと形は少し歪だが前回よりはマシな方で)

(離れる際に頭を一撫でし、自分の席に着き改めてハンバーグを見つめ) まぁ焼き加減は良さそうな感じだな。形は相変わらず歪だが。…いただきます。(言葉とは裏腹に楽しみなようで、頬を緩めると挨拶をし早速ハンバーグに手をつけ)

…おい夏、体調崩してねぇか？忙しいだけならいいが…ここ数日寒かったからな。少し心配になった。
落ち着いたらでいい。顔見せろ。

お前をずっと待っていたいが、お前の負担にはなりたくねえからな。この辺で潔く諦めてやるよ。

短い間だったが、お前との時間楽しかった。俺には勿体無いくらいお前は可愛かったよ。これからもっともっと愛でてやりたかったが……気に入らない部分があったなら悪かった。
──…ありがとう、夏。(ぎゅっと抱き締めると頭を撫でながら暫くその温もりに浸り。名残惜しそうにそっと離し) じゃあな…元気で。(頭をぽん、とするとその場をあとにして)