依原燐 2017-12-17 22:10:00 |
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__ッ‥!
( きっと百八十度態度の違う自分に驚いているのだろう。如実にそれを表す見開かれた双眸にちらりと視線を合わせ、そしてグラスを手放し。最早不安の色しか浮かばぬ弱弱しい光の紅眼で彼の一挙手一投足を一瞬たりとも逸らさず見詰め、軈て透明な液体を徐に口に流し込むのを確認すると胸を撫で下ろし__とは行かず。吐気が込み上げているのか、咄嗟に覆われた掌から飲み込んだ筈の水もろとも滴り落ち言葉を失い。 )
り、燐‥!
( 何も出来ないもどかしさに胸を焦がし乍もほぼ反射的に名を呼んで。グラスを机上に置き、核心を突く質問を貰うとどくりと心臓が跳ね。事実、そもそも従えていた従者の数なぞ五百年間でさえ指折り数える程。自ら志願して吸血鬼の従者になる者何て一人も居ない。その上、彼の様な症状が確認された者も当然見た事がない。然し小刻みに震える掌を見ては、その手を包むように握り真剣な眼差しを送って。 )
__ そうね、何人か居たわ。詳しい人数は覚えてないけど‥元々人間だった身体に吸血鬼としての要素も入って拒絶反応を起こしてるのね。大丈夫、直ぐに治るわ。
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