依原燐 2017-12-17 22:10:00 |
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( これは凄い。あの吸血鬼が自身の為にここまで尽くそうとしている。普段であれば絶対にする筈のない事を従者にするとは。然しあれだ、何だかむず痒いものがある。慣れないことをされるのは苦手だし、今まで尽くしてきた側としてとしては嫌な感覚がある。此方が頼んだ水を一分もかからぬ内に持ってきた彼女から少々驚きながら受け取る。此方の様子を伺う彼女に呑みづらそうに視線逸らしながら唇から喉へと水を流し込む。その瞬間、胃の上から込み上げる物が出そうになる。吐き出してはまずい、と咄嗟の判断で口を覆い隠すが指の間や掌の間から幾分か溢れてしまう。)
っぷ、..、っあー、やっべ。
( 慌てて全て口に戻し、水で飲み込むと焦ったように息をする。ああ、また心配の種を増やしてしまった。一体何なだろうか本当に理解が追いつかない。水まで一瞬ではあるが身体が拒絶したのだ。今日は災難な事が多過ぎる。)
なぁ、ご主人様。俺以外にこんな症状起きた従者は今まで何人いた?
( コップを隅のテーブルに置き。彼には珍しく真剣な表情で彼女の方を向かずに尋ねる。流石に此処までになると不安も募るばかりだ。頼む、安心する答えをくれ。強がりはするものの、自身の服をギュ、と握る手はカタカタと震えていて。
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