エドワード・エルリック 2017-11-24 13:58:15 |
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ナタリー
なっ......!!!–––嘘.....、
( 土埃で一時的に形成されていた煙が晴れると、目の前に見えたのは自分達に襲い掛かってきた男がおり、男の腕の辺りにはやはり血の様に澱んだ赤色をした小さな石が埋め込まれているのが目視できる。血眼になって求めていた、母を救う唯一の手立てが目の前にあるのに身体は土砂に埋もれ上半身は指一本と動かす事はできずに、このもどかしさに耐えられず力の限り暴れ髪を振り乱し身体を捩り。腕一本と出ないままただただ無情に時は過ぎゆき、身体が解放された頃には既に男は呻き声を上げており。自分の身体に気を取られていたらナタリーも一瞬の間に起こった出来事に何も対応を取れず、ただ呆然と男の右腕が風船の様に膨れ上がり、生き物の様に蠢いたのちに破裂する流れを見ていることしか出来ず。小さな声で悲鳴に似た声を上げる事以外には疲れ切った子供の身体と小さな脳みそでは出来ずに、目の前で破裂した腕から出た血飛沫をもろに浴びて。やっと正気を取り戻した頃にはボロボロでもはや向こう側が見えてしまう様な大穴の空いた鎧が目の前に有り。後ずさった先に小石があったようで、普段ならなんともないが心底疲れ切った身体はそれに対応できずに派手に尻餅をついて )
アル
ナタリー、さん...大丈夫?
ずいぶん疲れているみたいだ。もう少しだけ待っててね。
( 身を呈して守ったはずの兄はやはり浮かない顔をしており、コツンと中が空っぽの音が鎧に響き渡ると自分の身体はここにはない事を思い知るも得意のポーカーフェイスで想いは胸に仕舞い込み。兄の無理をした顔から全てを察するに余った様でフィッと顔を逸らすと、空気を悪くしないためにもそれ以上言葉を発する事無く複雑な思いのまま兄の指示通り土砂に埋もれた小さな少女の元へ向かい。男の周りを除いて土砂を元の形状に戻し終えると、背後では痛みに悶え苦しむ男がおり、一瞬赤黒い怪しげな光を腕から発するとその腕はみるみるうちに膨れ上がり、風船が弾けるかの如く血を吹き上げて賢者の石ごと消し飛び。男と目と鼻の先にいた少女は血飛沫をもろに浴びたようで血塗れになり立ち尽くしており、慌てて駆け寄り。もう敵に強大な戦力が無くなったという事実に安堵しながらも、自分が喉から手が出るほど欲していた石が手の届く距離から一瞬で無くなったという悲壮感に胸を締め付けられ。そんなそぶりを見せずにショックでか尻餅をついたまま動けなっている少女を軽々持ち上げて。ギシギシと身体や心が悲鳴をあげるが言葉はそれを隠して、先程のことも相まってひどく落ち込んでいるであろう兄の元へと戻り )
兄さん、軍の要請はもうしたんだよね? これだけ騒いだら警察に先越されちゃいそうだけどね...
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