健二 2017-09-28 22:32:08 ID:c196a580b |
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有紗からのLINEを受け取って少しだけモチベーションが上がる。
あと5分、この空気に耐えなきゃ。
煙草を揉み消して襟を正す。今日、彼女…いや、あの人に大事な話がある。二つほど…。
思いに耽って足元を見ているときに、突然「お待たせしました」の声。その声は、紛れもなくその人の声で。
「あ、ああ、久しぶり」
笑ってみせるがどこかぎこちない。
なに?俺…緊張してんの?
彼女、有紗はあの夜と同じ制服。エンジ色のリボンに同色のスカート。他の生徒とは違って一切の飾り気もなく、素の彼女がそこに立っている。でも、なんだかすごく眩しく見えるのは、あの夜があったからか…。
「ごめんな、突然。会おうとか言い出しちゃって」
苦笑いして右手をさっと上げる。
「会って、話したかったんだ…」
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