健二 2017-09-28 22:32:08 ID:c196a580b |
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(柔らかい米沢牛は、口に入れた途端ほろりと崩れて、とろけるような旨味が口いっぱいに広がる。その美味しさに目を輝かせて、焼きたての肉を頬張る有紗を見て嬉しくなる)
美味しいでしょー?
たくさんあるからどんどん食べてね!
(やっぱりここの店でよかった。彼女が食べる姿を見るだけで幸せな気持ちになる)
いつもは焼肉なんてそんなに食べないよ。うちは菜食主義でね(笑)
だからたまーに、こっそりここに来て食べたりするんだ。
(そう言いながら肉を次々と網の上に載せる。ロースター付きのテーブルは煙をどんどん吸い込んで、部屋に油や匂いが充満しないような仕組みになっていて、こんな風情のある和室でも焼肉が楽しめる工夫が凝らしてあり)
ここへは、よく先輩が連れてきてくれたんだ…。
(先輩とは、前に有紗に話した健二が慕う大学の先輩。卒業後は健二の父であり政治家である「須賀努(つとむ)」の側近秘書として献身的に支え、父のみならず須賀家のことも常に考えていてくれていた。健二を初めて真剣に叱ってくれたのも、将来の夢ついて熱く語ってくれたのも、先輩が唯一の人だった。それなのに……)
さ、どんどん食べて
(思いに耽ってしまい肉が焦げそうになるのに慌てて気付き、菜箸で取っては有紗の皿に乗せる)
このあとスープもビビンバも来るから覚悟しとけー(笑)
ここの石焼ビビンバがまた堪らなく美味しいんだ!
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