遥 2017-09-27 19:06:17 |
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【 小鳥遊 紗雪 】
( 歩く度に微かに引き攣る様な違和感を感じる腹部は既に抜糸まで済んでおり、後は傷跡を目立たなくさせる効能も兼ねた化膿止めを塗り続けるだけだと聞いている。意外と早い治りにこうして出て来た訳だが、却って心配を掛けてしまったらしい。何かを堪える様に告げられた言葉はご尤もな意見で、再び頬を掻いてから『 んー、病院に居ても暇だし。退屈なんですもん、あそこ。 』と。警察病院の医師に聞かれれば怒られるであろう事をさらりと言ってのければ。事実、決まった時間に寝起きし簡単なリハビリと診察をこなすだけの二週間は退屈で仕方が無く。子供のように唇を尖らせてはバツが悪そうに目を逸らし。
──全く、心配性というのか何と言うのか。ゆっくりと開かれた口から放たれた二言目はやはり、心配から来る言葉。確かに、全快かと言われてそうだと断言出来る程の回復はしていない。未だにつつけば鈍い痛みが走るし、後1週間程は激しい運動は控える様に言われている。それでもこれ以上心配させたら先輩の胃が悪くなりそうで。へにゃり、と嬉しそうな笑みを浮かべては『 大丈夫ですよ、先輩。私、こう見えてちゃんと鍛えてますから! 』なんて。一見ひょろりとした頼りない痩躯の男にも見える容姿だが、一般の女性と比べれば鍛えている方だ。──先輩を置いてくたばったら、それこそ墓前でお小言を言われそうだし。『 ──先輩を置いて死にませんよ、私は。それこそお風呂場のカビの根っこみたいにしぶといって、先輩が一番わかってるじゃないですか。だから、大丈夫。 』上司の様子を窺っていた同僚達の視線が徐々に安堵が混じったものに変わって行く中、相手を見据え凛とした声音で告げて。 )
【 安室 透( 降谷 零 ) 】
( 痛い程に脈打つ心臓はそう簡単には治まってくれず、浅く短い呼吸を繰返しながらじわりと滲む冷汗に不快感を顕にし。
此処はセーフハウスの一つでもあり、今は自宅としても使っているマンションの一室。セキュリティ対策も一般的なマンションとは段違いであり、侵入する事は不可能に近い。
『 ───は? 』何故、何処から、そんな疑問をぶつけようとした矢先、掛けられた言葉に一瞬頭が真っ白になる。うつ伏せのまま言葉を紡ぐ女性の表情はわからないが、純粋に問うている様な声音に酷く動揺して。確かに、毛利探偵に弟子入りをし、ポアロでアルバイトをしている安室透とは自分のこと。あまりにも変な問いにポーカーフェイスも出来なければキャラを取り繕う事も出来ない。ぽかん、と口を開き怪訝そうな表情を浮かべては、『 本人、だが...。 』と。コスプレがわからない訳ではない。然し、酷く動揺している為か辛うじて出てきたのはその一言で。それでも、自分が潜入しているのは危険度が最高ランクと称される組織。少しの油断でも命取りである以上、易々と相手の言葉を鵜呑みにする訳にもいかず。此処は安室透として、はっきりと強い口調で相手に問い。 )
───何故、僕の名前を知っているんですか?
(/いやはやお優しい...ッ!
ではで、お互いまったりと...←
わかりました、此方こそ進み方などで直々現れるかと思いますが、改めて宜しくお願い致します!)
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