浮雲 2017-05-30 10:02:49 |
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タロットと言えば、俺のバースデータロットは「太陽」である。それに加え、獅子座は太陽を守護星とする星座なので生粋の太陽人(てぃだんちゅ)な筈なんだが、本名に「月」って字が入ってる所為か、何だか人生ちぐはぐ感が否めない。生まれついた星よりも名の影響力が勝っている模様。良く言えばどちらの属性からも恩恵を受けているが、今までの人生を振り返ると月が常に頭上にあり、太陽が顔を出すのは割と稀__もしくは水平線に溶ける陽光くらいのもんじゃなかろうかと思う。
絵や文などの作品を世に発信するに際して選んだ名、所謂ペンネームは五行で言うところの「木」の属性と深く密接している。その名に決めた当時の俺は占いなんてものに然程興味が無く、精々朝のテレビ番組に付帯している星座占いを意識するくらいだった。名前に宛てがわれた文字との因果について考えるようになったのはつい最近、まぁ大きく見積っても25歳越えた辺りからだ。
岩手の民話に『大工と鬼六』っつー話がある。
村の人々に頼まれ、流れの速い川に橋を架けようとしていた大工どん。しかし橋を作れど水圧の強さで直ぐに流されてしまう。途方に暮れる大工どん。其処に突如として鬼が現れ、あっという間に立派な橋を架けて言い放つ。「此処に立派な橋を架けてやったぞ。お前の目ん玉を寄越せ。そしたら橋は壊さないでおいてやろう」と。大工どんはそれを聞いてこう返した「お前ほどの鬼となればさぞかし高名であるに違いない。是非名前を教えてくれないか」。機嫌を良くした鬼は「俺の名前を当ててみろ。明日までに当てられたら目ん玉は勘弁してやろう」と謎かけを残して消える。大工どんは困り果てた。鬼の名前なんぞ分かるわけがなかろう。…しかし、その日の夕べ子供らの歌う声が聞こえてきた。「早く 鬼六ぁ 目ん玉ぁ 持って来ばぁ ええなあ」。そうか、あの鬼の名は鬼六というのか。大工どんは次の日、姿を現した鬼に向かって「お前の名前は鬼六だ!」と叫んだ。鬼は途端に焦り出し「なんで俺の名前を知ってるんだ!」と言い残して逃げ去った。そしてついぞ戻る事は無かったという。めでたしめでたし。
名前を知られたくらいで大袈裟な、とも思う。しかし、名も知れぬ暗幕のような脅威に名前が付与された途端、恐怖心がやわらぐという事もある。HPが不明な敵に対してライブラを掛け、残量を確認し安堵を得るように。
時に名前は魂を縛る。この場所を設けてから浮雲という名で言葉を紡いできたが、時折名前を変えたくなるときがある。つーか何度か変えてた時期あったな。浮雲っつー名前に愛着があるし東京事変の浮雲さんを尊敬してるもんで気に入ってはいる。だが俺本来の属性(らしい)太陽を彷彿とさせるような名前にしてみたら思わぬ幸運が舞い込んでくるんじゃまいか?という希望的観測が脳裏を掠める事がごく稀によくある。別に今の境遇が不満ってわけでもないんだが、叶うなら五億円欲しい。まぁ改名しただけでそんな幸運が手に入ったらデバッガー甘すぎだろってなるけどな。それでも夢見てしまう。南の島の楽園を( 意訳:冬がはじまるよ )
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