浮雲 2017-05-30 10:02:49 |
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ほんの小さな作品を完成させるにも、体力は勿論、相当の精神力を注ぎ込まねばならない。魂を削り、色彩を精製する、鋭利なナイフでプロシュートを削ぎ落としていくような感覚。薄く、薄く、桃色の肉を剥離する。それはひとひらの花弁に似て軽やかだ。しかし花弁を掻き集め大輪の花を作り上げた先には、丸々と肥えていた筈の原木など見る影もない。一本の白い骨が、見窄らしい姿で俎上に横たわっている。肉を咀嚼する人々の声を聴きながら。
フェアリーゴッドマザーの指揮棒が魔法を紡ぐまで、痩せ細った骨は息を潜める。
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