三日月宗近 2017-01-29 17:59:07 |
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>> 花音さま
( 離れゆく手の平に名残惜しさを抱きつつ見送っては、平生の面で覆えど未だ曇りの晴れぬ顔を見詰めながら言葉を耳で受け取り。こう云う類のものは理屈ではない、ひらり袖を翻しては思い悩む主を無骨な腕の中に閉じ込めてしまって。幼子をあやす手付きで頭を幾度か擦りつつ“ ぬしさまはいい子だ。私共の体を気遣ってくださっているのでしょう。その気持ちだけで私は、天にも昇る心地なのですよ。 ”脳髄に染み込ませるよう耳元で説いては。言葉に溶かし込んだ本音はいとも容易く跳ね除けられ、心底残念だとばかりに眉を八の字にする狐。己にとって一番は主でしか無いのに、当の主から大事にしたい人に取っておけと言われるはなんとも矛盾したことか。しかし、と。開き直って表情と声を明るくしては )私はぬしさまが一等大事なのですから、ぬしさまをお誘いするのには何の問題もありますまい。それとも魅力的と言うのはお世辞でしたかな。
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