ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(口腔内から引き抜かれた彼の指は唾液によっててらてらと艶めかしく光る。それがそのまま、見せ付けるかのように彼自身の口元へと運ばれて――思わず目を見開いた。「……っ、ちょ、ノクト! なんで舐めるの…!?」指を這う赤い舌がやけに目に付き、内心どきりとする。バカじゃないの、信じらんない、えろいのはどっちだよ…! 予想外の行動にぐわりと体内の血が騒いで、顔は湯気が立ちそうな程。そんな己に追い打ちをかけるが如く涎を指摘する相手の姿は、己と比べて随分余裕があるようにも見え。相手に翻弄されるばかりの歯痒さだったり悔しさだったり、そういったものが胸中に芽生える。ふと気付けば、覆い被さる彼の姿が眼前に迫っていた)
…は、…ぁ……
(肌を這う舌の感触に熱い吐息を零す。どろりと理性が溶け出して、綻んで。相手に身を任せる心地良さの度合いが、感じていた羞恥の度合いを軽々と追い抜かしてゆく。ほわりほわりと熱に浮かされるような心地で口付けを受け入れて、左手首がベッドに縫い付けられる感覚に不安の入り交じる表情を浮かべた。そんな自身を慰めるような、優しい優しいキスが降ってくる。温かな。ともすれば熱いぐらいの情を携えて降ってくる彼の口付け。どれだけ熱を貰ってもまだ足りないと思うのだから、自分は我が儘なんじゃないか、と不安にもなるわけで。…ああ、伝わって。オレだってノクトが好きだ。誰にも負けないぐらい、大好き。眉を顰める彼の顔は酷く色っぽくて、ここで相手の言葉を借りるならば、唆られる。抱いていた不安は知らぬ間に解け、今では更なる期待が胸を支配していて)
…うん。
(普段ならば敢えて王子様の仰せのままにーなんて茶化す言葉を選ぶが、今は言わない。この時間は、この時間だけは。どうか、身分を忘れてほしいと願う。王子としてのノクティスではなくただのノクティスとして、ただのプロンプトに触れていてほしい――そんな願いは、鍵をかけて心の奥底に沈め、そのまま封じ込めることにする。ノクトには、絶対に気付かせない。一度、態とらしくゆっくりと唇を舐めれば「…へへ、お手柔らかに…ね?」と何処か誘うようにほんの少し首を傾げて相手を見詰める。焦らすようにゆっくりと、殊更ゆっくりと口を開けば、相手の指示通りに舌を出して見せ)
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