ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(好きな人に“唆る”なんて言われて降参しない奴が何処にいるか。傍にいた5年ですっかり聞き慣れた彼の声も、今はまるで別人のように艶っぽく聞こえる。耳から侵入したそれは甘く痺れるような響きを持って身体から力を奪っていった。押し入れられた指のせいでまともな言葉を返すことが出来ず、舌の上で蠢くそれを噛んだりしないようにするだけで精一杯。舌の裏から出て来る唾液は飲み込むことも侭ならず、重力に従って一筋、口の端から零れ落ちた。ああ、やだなぁ、シーツが汚れちゃう。そんなことに気を取られていると、指にはまた違う動きが。前歯は捕らわれたものの、少なくとも舌を開放されれば漸く喋ることは出来るようになって)
…っん。…ねえ。もっと、やばくなっていいよ…?
(発した言葉は普段のものより舌っ足らず。細まる瞳を愛おしげに眺めながら彼の背筋を指先でなぞり。さて、次はこちらの番――挑発的な視線を送り、途端に目を伏せる。そして、一瞬の躊躇さえもなく相手の指に舌を這わせ始めて。ある時は尖らせた舌先で擽るように。またある時は舌の面で柔らかく包み込むように。そうしていれば次第に楽しくなってきて、ついにはやわやわと甘噛みをし始め)
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