ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(心の中の切なくも空虚な気持ちが薄ら薄らと溶けてゆく。視界の目の前が背丈の差の無い彼だけに定着すればその刹那、瞬く間もなく腕の中へと抱かれ包み込まれるとふと重心がよろけて、立ったままに完全に身を捧げる状態になっていて。はっと、彼の振る舞いと柔らかな声音に耳を傾け続ける。…言葉が出なかった。からかわれると予想していたが、不覚にも自身の求めていた温もりをすぐ様共有してくれて。単なる願望を意味深げにぽつりと言い零したのを察せられれば、ただただ恥ずかしさが残ると同時に嬉しさが湧き上がってきた。背中を撫でる腕が過去の自分にも慰め、温めてもらえてる感覚。大丈夫だよ、と囁かれる程に気持ちが高揚していき、堪らずぎゅう、と深く抱き締め返す。…寂しかった、ずっとこの温もりを感じていたかった。月明かりが照らす夜の水面を目前にすれば、幼い頃の記憶が辿り輝きに満ちたそれを肩越しに視界に映すことで、彼の体温と共に心が浄化されていき。抱きつく腕には隙間が無いくらいにしがみ付いて、顔を擦り寄せる。この幸せを噛み締めて、小さく息を吸い細く震わせた声で「…っ…サンキュ…」と、ただ一言。)
ーー……はぁ、悪い。ありがとな、プロンプト。 なんつーかな…夜だからか。急に寂しくなっちまってさ、不思議だよな
(ゆっくりと腕を緩めては隙間をつくり、手を離せば目線を下げつつ僅かに口角を上げてみせる。察せられているのならば何を隠そうと、素直に思ったまでのことを述べて。「…夜ってやっぱ、俺そっくりだわ」友人が先ほど言っていたように、己の色だと指摘された夜空を見遣ればこの目に焼き付け、自らも口にする。彼にそう思われているのなら悪くない気がした。毎夜訪れる1人きりの夜は嫌いであったが、今なら仲間がいて、更にはこの気を晴らす、朝焼けのような彼が傍にいるのだから。へっちゃらだ。そう心をすり替えればさほど大したことではなかった。だいぶ落ち着きを取り戻してほっと一息をつく。暗さ的にもそろそろシガイが現れ出始める頃だろうと、身の安全を守るべくホテルの方角へと1歩足を踏み込んで)
すげー暗ぇ…あいつら心配させてっかもな、帰ろうぜ。
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