ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(海辺のさざ波に似合うくらいの程よい静穏さ。陽気な彼とのコミュニケーションは度々振り回されてばかりだが、時折、自他ともに認めるといった献身的な心遣いでお互いをきちんと見定め合うことができる。普段の戦闘においても人としても、出会ってからの積み重ねが垣間見えるように呼吸が不慣れなくと空気に馴染めさせられて。彼の上機嫌な鼻歌を耳にしながら歩を進めていく。足元の砂を軽く踏み込みながら悠長にと、自身は沈黙を貫いて。苦でもない無言の続き。言いたいことがあれば何かしら口を開くだろうが、特にこれといってする会話も無く、二人してのうのうとする。 この身を通り過ぎてゆく風を浴びながらに着いた目先の桟橋を前に、はたと歩みを止めてみて。その場で佇めばご覧の通りといえる、奥深い夜空の景色を澄み渡るように自身の瞳に刻み込み)
…夜、なあ……
(…夜ってやっぱ、侘しいな。幾度もそう思う。幼い頃の夜なんてのは、常に1人だった記憶。ーー幼くして母を亡くし、男手一つで育て上げられた、父親のたくさんの愛情を注がれた日々の暮らしは極めて幸福なもので。勿論、王都生活には不満もありいい事ばかりでは無かったのだが、思い出なるもの今となっては全て、かけがえのない名誉となっていて。…でも、やっぱり何かが足りない。寂寞な一室で眠りにつく頃は、いつも1人きり。そのほんの隅にある僅かな記憶だけが、寂しくて。自身の中では良くも悪くも儚く印象に残っていた。単純だが、夜というのはなんとも切なく、侘しいものだ。……つい目の前の光景に五感を研ぎ澄ましていたおかげで、茫漠と立ち尽くしていたまで。隣で切ったシャッターの音は淑やかにと溶けていき、彼と居ることを実感させられるまでに少し時間がかかって。薄らと浮遊していた身の置きどころを取り戻し、やがて視界を隣へと移して思う。…嗚呼、彼の明朗とした瞭然な振る舞いがこの気を晴らしてくれるのだろう。比較的己と正反対な様を眺める心地はなんというか、自然と惹かれるような、彼特有の個性に憧れを抱く。…人の温もりというやつを、求めてもいいだろうか。そんな瞳で見ては我ながら恥だと唇を噛み締めて、再び目線を海辺に移せば駄目元でふと口を開いてみて)
…なあプロンプト、今夜さ。俺と一緒に寝てくれたりー…とかしねえかな。添い寝つーか……添い寝、みたいな。 …ははっ、何言ってんだ俺…。
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