ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(立ち上がらせる際に相手に多少のふらつきがあれば支えてやるべくと身体を張り、ちょっとやりすぎたか?と身を案じて見てれば、転けもせず寄りかかりもせず、と自立してその場を保つもので。少しふらふらとなりながらも此方の礼に礼を返されれば驚くように「ま、まあ……恋人、なんだしな」なんてぼそりと呟いては、"当たり前だろ"といった態度をとる。…いや、ホントのところ、実は照れ臭い。ちょっと格好をつけて王子様を気取って見せつけていたのが、"モロバレだった"、という感じになっていたのでは、と。言葉は冗談だと分かっていても面と向かって礼を告げられれば、気恥ずかしさが今に来て噎せ返しそうになる。キス最中の心の余裕はのっけから無かった。互いの漏れる口呼吸や鼻息がかかろうが、彼に対する愛情表現は欠陥とさせたくなくて。無論、テクニックも一日のみで取得できるはずが無い。貪るように私利私欲と本能的にできてしまったのだろうと思う。そう、言わばこれを一言で言うと…『愛の力』ってやつ。我ながらそういう形で、まだまだ不器用だなあと頭を抱えてしまう。実際には、彼に夢中となっていたのだろうとしみじみ思うだけで、心の中で困ったもんだと恥ながらの吐息をついた。…なんにせよ、満足してもらえたことに越した事はない。そんな短い間に悶々とさせていれば途端、手を掴んだままに腕を引かれた方向は、ホテルとは逆方面で。あれ、帰らねーのか?と声をかけようとしたが、2人きりの時間は惜しくも必要としているのが本音。空の明るさ的にもまだシガイは現れないだろう。身体は今朝の鍛錬で若干疲労を訴えながらも、自然と友人の背中を追うようにして足を進めた。疲れているはずなのに、寧ろ一緒にいることでどきどきとさせられて有難くも苦労を感じる暇がないのだ。今度は、友人のしたいようにと落ち着いて素直に言葉を受け止める。自身の手元にあるカメラを友人に返そうと目の前に差し出しながら「しょーがねえなぁ…言っとくけど、俺撮んのだけは勘弁な。」と答えは何時もながらの生意気さを出して、僅かに口角を上げながら相手の隣へと歩幅を合わせて歩き)
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