ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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(不意にも密着した友人との距離。あの瞬間、通行人が後ろを通り掛かる瞬間に見た色白に目立つ紅潮の面差ときたら…。――ダメだ、調子が狂う。その反射に昨夜のことも思い出してしまうと此方も染まった頬を隠すよう手で押さえては、密かに心拍動を踊らせていて。品行が悪いと思って此処は忍び通そうと謹んでは途端、跳ね上がった声音が沈黙を破り儘ならぬこの場をどうにかしてくれといった圧を掛けられて)
…えっ あ、えと、ごめん? あーいや、狙ったとかじゃなくて…!そのほら、人通ったじゃん。だからついー……
(…ん?ちょっと待てよ、こいつ今なんて…?? 行き違った脳みその判断に訂正をかけては、彼は憤怒したのではなく期待したと言った模様で。その言葉に語弊がないのかと目をぱちくりさせるも、一向に此方へ顔を晒さないというのは事実だということ。 ……マジか…。そうと把握できれば、気持ち素直になってみてもいいのか、と変にほっとさせられたようで。 つい昨日に好意を述べあった仲ではないか、仲間内では見せない1面を見ぬ振りして躊躇うなんて勿体ない過ぎる。内心でそう己に言い聞かせては、息を呑んでからそっと距離を縮めて、彼のぶら下がった手元に自身の手の甲をこつん、と当て)
……べつに、勘違いとかじゃねーから…
(潮風に紛らす勢いの声量でぼそりと呟く。さも恥ずかしい内面を口にしては誤魔化そうと次いで「ほ、ほら…行くぞっ」なんて投げ飛ばしに言い放てば、手を握るのではなく手首ガシッと鷲掴み、歩幅をずらして先へ先へと急いで行く。己のぎこちなさに笑えてくるものの、対処するならばこうして無理やり目的地に進むしか頭が働かず。ーー浜辺近くの段をズカズカと降りやっとこさ辿り着くと、ふと目の前に飛び込んだのは色鮮やかな景色で。丁度夕日は丸く水面にキラキラと輝きを映してるというところか)
お、おお……プロンプト、おま、写真…早く撮れ!
(文句無しのその光景に目眩まし、眉間に寄せていた皺をも無くし表情を一変とさせては彼の背中を迫り立てるように叩く。満足そうに腕を組みつつはあ、と一息ついて)
二度と見れねえかもなぁーこれ……来てよかったわ。
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