ノクティス 2017-01-28 19:21:40 |
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気になっから、聞きたいけど…、
(相手の無気力な腕が背部から手放されたところで漸く勘が働く。ーー政略結婚の事か。気に障るのも仕方がない、国が決めた結婚という如何にも規模がでか過ぎる規定を存知ているのだから。我ながら言葉にも出さなければ、結婚相手と言えど彼女は良き幼馴染みであり、恋愛対象として意識したことはほぼ確実的として無かった。婚約が決められた際は喜ばしい発表であったが当本人としては…まあ、幼馴染みだし、いっか。程度の気持ちでしかなく。そもそもと学生時代の時から共にいた友人の方に気を取られてばかり。あんなにも寡黙でへっぴり腰だった彼が今には見違える程に明朗で、人としての人格が様変わりとした容姿には正直驚嘆したこと。その満ち溢れた努力の賜物にそぞろと憧れを抱けば次第に好意へと、平然を装いながら寄り添う機会を見計らっていたならば過程を越して現状こうなってしまっているわけで)
…やっぱ、いいや。なんでもない。
(過去を遡れば今に叶ったことではないか。そうと気を改めては己にも向けてくすっ、と微笑みかける。折角と打ち解けあった大切な時間がおじゃんとなっては心もとない。何がどうあれども先のことは今考える必要はないと思った。共に不安や恐れが多い中、最も考慮する友人が沈痛と自身の為に気を配っているのなら優しく労ってやるのが術。相手の背後に腕を回して、この身をもってそっと、ぎゅっと優しく抱き抱える。大丈夫、心配するな。不憫に思う程に気持ちが募れば徐々にぎゅううっと圧をかけはじめて。こんな俺を好いてくれた、ほんと可愛いやつだわ、と慈しみ、加減せずに思うままと笑みを浮かべながら己の重心をかけまくって)
もう泣くんじゃねーぞー、つぎ泣いたらまた頭くしゃくしゃにしてやるっ
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