【FF15】旅仲間とホテルの中で【BL】

ぅええ！？、ちょっとｯ、いきなり危ないじゃんノク……――っ！
(突然腕を引かれては体幹の鍛え方が甘かったりそもそも構えが出来ていなかったせいか、一度は体勢を崩しかけながらも勢いのままに情けない声を上げる。ぶつかる可能性もあったためか咄嗟に目は瞑っており。何とか倒れ込むのを耐えて目をぱちりと開けば、目の前には何やら気の入った親友の瞳が。驚きのあまりに言葉も忘れて息を飲む。直後、聞こえた言葉に口を開きかけるも、それはその言葉を紡いだ当の唇が些か性急に塞いできた。拒む間もなくだ。否、己が相手を拒むことなど、本気で怒りでもしない限り万に一つも無いのだが。応えるようにそっと唇を動かしたりしていれば、突如、ぺろりと何かが唇を這った。「ん、ふ…っ」興奮混じりに上擦る声が自身の耳に入って、凄まじい羞恥を感じる。この熱く湿った、やけに生々しい感触は。…まさか、舌？――…嘘っ、仕返しのつもり！？　背筋に走るぞくぞくとした快感が怖くていやいやと顔を背けようとするも、まだ若い身体は欲に忠実。寧ろもっととせがむように腰を浮かせる始末で。何度も繰り返し舐められたり吸われたりすれば、かさついた唇も流石に潤いを取り戻しており。与えられた猶予。この頃になると空気供給が鼻呼吸では追い付かず、はふはふと息を切らし気味にもなって。必死に呼吸を整える。身体中を巡る体液は今にも沸騰しそうなぐらいに熱く感じた。今日だけで沢山の初めてを親友に捧げた。告白も、両思いも、キスも。余裕なんてある筈もない。眉尻は下がり、眉根には苦しげな皺。瞳は羞恥と興奮による涙で潤み、何度も舐められた唇は潤いを持って赤く色付く。想いを交わした人との触れ合いは本当に堪らなかった。相手が心の奥で伝えてきた言葉などには到底気が付かず、ただ、気持ち良さを追い求めるようにじ、と相手を見詰めては)
……ノクト、どうしよ…わけわかんないぐらい気持ちいい。…なんか、ね、ダメなの、気持ち良すぎて怖いよ…っ、ノクトぉ……！
(落ち着いた呼吸は、喋る毎に込み上げてくる涙と嗚咽によって再び荒くなる。泣けば困らせてしまうだけなのに、それがわかっているのに。相手に抱く愛おしさが涙腺を馬鹿にしてしまったらしい。ずび、と空気を吸い込んで鼻水啜れば、キスの最中いきなり泣き出すというあまりの申し訳なさに思わず俯いて)
ふ、…っ……ごめ、すぐ泣き止むから…ほんとに、ごめんね。…ちょっとだけ、待って…。