松野家の六つ子 2017-01-24 01:53:22 |
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…わかった。( 五男の力が抜け、少し離れた体の隙間から聞こえた言葉にこちらも顔をあげれば、続けて長男から紡がれた言葉に小さく首を縦に振り。部屋を出ていく間際、一度だけ五男のあたまをぐしゃりと撫でやれば早足で一階へと降り。…そこには、先程と同じ位置で号泣しながら何事かを喋っている末弟と、おろおろと困惑している彼の姿が。…普段、兄弟からドライモンスターと揶揄される彼らしからぬ姿に少々度肝を抜かれながらも、早足に、けれど忍び足でそちらへ近寄れば驚かせようと後ろから次男へ抱き着き、ニヤリと笑い )わあっ。呼んだ?
¦ 末弟
カ、がらまづ……~っぴゃああああ!!?!( こちらの様子に明らかに動揺している相棒。駄目だ、止めなきゃ、カラ松兄さんが困ってる。頭ではそうわかっているのに、そう思えば思うほど涙腺は言うことを聞かず、次から次へと涙が溢れ落ちる。そんな自分が情けなくて悔しくて、更に視界を歪ませたその時。突然ぬっと登場した四男の姿に、次男の手を握ったまま悲鳴を上げ、思わず溢れていた涙も引っ込んでいて )ちょっ、い、一松兄さんのバカッ!!アホ!!ノーマル四男!!!
¦ 三男
ん、了解。…十四松、手伝ってくれる?( 長男と目配せをしていたところ、一階から聞こえた末弟の泣き声にこちらは面食らって。その声に素早く反応した五男と長男、託されるように部屋を出ていった四男の後ろ姿を見詰め、短時間で頼もしくなった一つ下の弟に兄顔で笑みを溢し。そのあと、長男の言葉に従い自身も立ち上がれば、落ち着きを取り戻した五男の背にそっと触れ、優しくそう声を掛け。…今日は唐揚げにしよう。アイツが大好きな鶏の唐揚げ。そう心で決めながら、部屋の入口で一度立ち止まれば不意に長男を振り返り )…あんま一人で考えすぎんなよ。小6メンタルなんだから。
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