松野家の六つ子 2017-01-24 01:53:22 |
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トド松…泣かないでくれ…俺は大丈夫だから、な?お前がそんなになったら俺…(いつもどこか兄弟とは一歩距離を置いて冷めた感じでいた相手、そんな相棒のこんな泣き顔を今まで一度だって見たことがない。握られた手と泣き顔をみているとひどく心が動揺してしまい、どうしたら弟であり相棒である相手の涙を止められるのか、それが分からない自分にとっては宥める言葉を紡ぐのが精一杯で、助けるを求めるように視線を天井に向けると自然と声は彼の名を呼んで)一松…。
五男
(誰もこんな状況になることを予想していた訳がない、きっと目の前の相棒だってほんの出来心だった筈、なのにその結果がこんな最悪の形で現れたと分かれば本当は優しい一つ上の兄の罪悪感は計り知れないもので。表情を隠す兄の顔を見ようともせずにただ胸を貸し、互いに強く抱きしめあったまま心の奥の悲しさや苦しさを共有することしか出来なければ頬を伝い流れる涙を伸びた袖でぐいと擦り、その最中に微かに聞こえた青の声が彼を呼ぶ、それよりも自分は唯一の弟の泣き叫ぶ声のが気になるが、きっと耳がいい自分とは違った意味で目の前の兄にも届いているだろうと感じると長男の指示も踏まえて抱き寄せていた腕の力を抜いて)…一松にいさん、行ってあげて…。
長男
すげぇ、もろ腹とか殴りそうだろ?なんて(自分の気持ちを察したのかわざと軽口で返してくれた相棒を見ると自分の腹部を撫でるように手で触って返し、元々生真面目な三男は兄として他の弟達や次男に対しての強い責任感を抱くだろう、それを求めてはいけないのだと分かっていても自分が唯一重荷を預けられるのは目の前の相手しかおらず、自分のことも見ていてくれると言われると少し気恥ずかしくなれば鼻の下を指先で擦っては微かに階下から聞こえる末弟の泣き声に気付けば紫と黄色の弟達のやりとりを横目に肩を竦めて)何それ、超照れるけど。…あの泣き声はトド松か、ひとまずチョロ松は十四松と夕飯の準備して、父さんも母さんも今日は遅くなるって言ってたし。トド松は俺が様子見るし、一松はカラ松のこと看てやって。とにかく、余計な心配は与えないこと、何か気づいたらすぐ俺らに教えてくれよ。
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