松野家の六つ子 2017-01-24 01:53:22 |
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す、すまん…(鼻を摘ままれると少し驚くものの可愛らしい抗議の仕方だと思えば思わず表情が此方も和らいで、器用に包帯を巻き直している姿を見ながら続く言葉を聞いていれば自分らしくて良いのだと伝えられているような気がして、自分に対してイタイという発言をしていた末弟の態度は覚えていないのか自然と言葉が胸に落ちるのを感じ、更に子供のころの記憶は鮮明なのか嬉しそうにし)…そう、だな。トド松は俺の相棒だ。何をするのも、昔は一緒だった。お前はいつも俺と一緒に居てくれたんだ。俺の一番の理解者だ。
長男
…まぁ、カラ松がちょっと興奮して暴れただけだ。怪我人は出てないから安心しろ(三男の問いに二階まで響いていたのだと分かれば、そりゃそうだと思い。ひとまず簡潔に理由を説明してから視線を四男に向ければ一つ目の記憶の欠落を理解し、普段ならお互いに妙に意識しているのか主に四男だが、反発しあっている二人があれだけ自然とくっついていたのはそういう訳だったのかと納得し。突然のことに言葉を失い掛けている二人の弟たちを見ては更に言葉を続けて)一松の言う通り、記憶の損失は断片的らしい。今は一松のカラ松に対する態度のことだけかもしれないし、他にも忘れているかもしれない。だからといって、ずっとそうであるということでもないらしい…、カラ松には一時的な記憶の混乱だと伝えてある。でも、俺達は真実を受け止めて覚悟をしておかないといけない。その意味…分かるだろ。
五男
…一松兄さん、大丈夫っスか?(暫し黙ったまま動けずにいたが、仲の良い一つ上の兄の言葉を聞くと真実のショックよりも兄の心の方が心配で。静かに近づいて隣までくれば心配そうに顔を覗き込んでいたが、長男の言葉が続いていくとこみ上げる不安感に近くにある紫のパーカーの裾を強く握りしめながらもニュアンスで伝えようとする長男の言葉では理解が出来ずにストレートに訊ね返せば、暫しの静寂の後に首を縦に、「あぁ…」と返された一言に顔から血の気が引くのを感じ、他の誰もが言えない本音を口に出せば駄々をこねるように空いている方の腕をぶんぶんと上下に振って)それって…カラ松兄さんが、ぜんぶ…忘れちゃうってこと…?…ッ、そんなのやだよ!やだぁ!うそだって、言ってよ!
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