ツンデレ少女頑張る。【非募集】

は、名前？いきなり何…
（ ちらちらと向けられる視線を気にしつつ親友らしき女子の言葉に何でだよ、と突っ込もうとしたが隣の友人達を見れば女子に話し掛けられたのが嬉しいのかにこやかに笑っていて。名前はと聞かれれば突然すぎだろうと口を開いたが、嬉々として喋りだした友人に遮られてしまい。「 俺はー、佐々木 健人！まあ同じクラスだし桜宮さんとは出席番号も近いし仲良くしてねー。で、コイツは八重草 凛久。こっちの二人は俺もさっき会ったばっかなんだけどー、カケルとジュン。」と、彼は丁寧に紹介を終えて「 そっちは？ 」と聞き返して ）

さ、桜宮 千彩です。よろしくお願いします。
（親友が元気よく『私は佐久間 唯！仲良くしてね〜。』と答えたので、俯いたままだと失礼だと思い顔を上げそれに続いて自己紹介をして。相手の名前が知れて嬉しかったのかさっきよりも明るくなり、俯くのをやめて。しかし、皆と目を合わせるのはまだ無理なので顔というよりも皆の胸らへんを見て。『皆カッコいいから彼女いるんでしょ〜？』と親友がズバズバと訊き。長年一緒にいたが、唯のこんな一面は知らず意外にも男子にはグイグイいくタイプなんだなぁ〜、とのんきに考えていて。すると唯が『私達は彼氏募集中だよね〜。』と爆弾発言をしたので目を丸くしてバッと唯の方を見て。）

よろしく。
（ 親友に続けて名乗った彼女の態度を見るに、少しおどおどしてはいるが変な奴ではないのかもしれない、と認識を改めて。「 よろしく〜 」と応えるカケルとジュンに、口角をきゅっと上げると自分も上記述べ。相手の問い掛けに「 ぐいぐい来るね〜。おー、まじで？いや、今は俺らも全員フリーだし。俺とかけっこー優良物件！ 」と調子に乗り始める健人の横で呆れつつ黙って聞いていたが、「 ほら、凛久も暫く彼女いないし、そろそろ欲しいんじゃん？ 」と聞き捨てならない言葉が耳に入ってきた為、黙れという意を込め友人の口を手で押さえつつ否定をして ）
はあ？、…コイツの言うこと真に受けなくて良いからね。

彼女いないの…？
（唯に目を向けていると男子の方でも聞き逃してはならない言葉が出てきて。咄嗟に八重草の方を見て遠慮がちにそう訊いて。オドオドしている自分の隣にいる唯はニヤニヤした顔をしながら『おやおや〜？』と楽しそうに言い。そんな唯を少し睨み、八重草に次はなんて言おうか悩んでいて。ぐるぐると頭を回転させた結果「…性格が悪いから彼女できないんじゃない？」なんて初対面に近い相手に心にもない酷い言葉を言ってしまい。しまったと思うが遅く、助けを求めるように唯の方を向き。すると彼女はさっきの自分の言葉に驚いたのか口をあんぐりと大きく開けて自分の方を見ていて。）

や…居ないけど…。
（ 小さく確認してくる相手に、付き合いたいとでも言われるのだろうか、でも嘘を言っても仕方ない、そう思えば上記を答え。何か言おうとしている相手の次を待ったが、さらりと出てきたのは毒気のある言葉。一瞬違う誰かが言ったのかとも思ったが、その声の主は紛れもなく目の前の彼女で。先ほどとは打って変わった態度に流石にぽかんとしてしまい。横を見ると友人達も同じ反応で。自分の性格が悪いとは思わないが口が悪いのは認めている。しかし初対面の人に言われる筋合いは無いはずだ、なんとか平静を保てば言い返し ）
は…？なにそれ、俺に言ってんの？

あ、貴方に言ってるに決まってるでしょ？
（言ってしまったものはしょうがないと思いつつ謝ろうと決心したが、相手から言い返され、また咄嗟に悪態をついてしまい。今度こそヤバイと思ったのか隣にいる唯が『ち、千彩は男子とあんまり話したことない子だから！！は、恥ずかしいんだよね〜？』と焦った声で私の肩をポンポンと叩いて。しかし、自分はパニックになっているため唯の声が聞こえず、頷くことが出来なくて。顔をあげていたが、どうしていいか分からず、また俯き始めて。）

ふーん、俺よりあんたの方がよっぽど悪そうだけどね？
（ ついつい妹と口喧嘩をしているような錯覚に陥ってしまい、またもや強気な口調の彼女へ言い返して。横から入ってきた彼女の親友の言葉にはっとしては俯いてしまった相手にごめん、と気まずそうに謝り。しかし恥ずかしいだけで此のような反応をするのだろうか、もともと口が悪いのでは、と疑っており。すると唯の言葉に便乗する様に「 やー、コイツも根は悪くないんだよ、口がちょっと悪いだけでさ！」と健人が割って入り。続けて「 そうだ、折角だし皆のLINE教えてよ 」と提案を ）

うん…いいよ。
（八重草からの謝罪には気まずさから首を縦に振るだけで何も言わず、八重草の友達の言葉にはそう返事をしてスマホを取り出し、スマホを操作してLINEの画面を開いて。唯は私をフォローするように『これで皆と仲良くできるね！！』と私に笑顔で話しかけてくれて。それに心から頷くと、唯にさっきよりも少し近づいて。どうして健人からの言葉や唯からの言葉には素直に返事が出来るのに、八重草の言葉にはドキドキして上手く話が出来ず悪態をついてしまうのだろうと心の中でシュンと落ち込み。）

それで良いんじゃない？
（ 自分以外の相手には強く当たることもなく至って普通に接する彼女に少しイラッとはしたが、それ以上に追求したりはせず。成り行きで連絡先を交換することになり、大人しくスマホを取り出せば操作し始め。「 ふるふふで良いよね？ 」健人がそう言うので、同意するように胸のあたりでLINEの画面が開かれたスマホを振ってみせ ）

いいと思うよ。
（健人からふるふるでいいかと訊かれて、そう答えると自分のスマホをふるふると振り。しかし、ふるふるの画面にしていないため、このままやっても友達追加は出来なくて。それに気づいた唯は私の耳元で小声で『それ、ふるふるにしてないじゃん！ふるふるの画面にして。』と私のスマホの画面を指差しながら言うので、ハッとして慌ててふるふるの画面にして。その後、唯は今度は皆に対して『準備出来た〜？ふるふる開始〜。』と言いながら自分のスマホを振り。それに続いて私も唯のスマホの隣で自分のスマホを遠慮がちにふりふりと振り始め。）

……ふっ。
そろそろ帰りましょーか。
（ 自分と同じくふるふるとスマホを振る相手の様子を何気なく見ると何やら慌てた様子で画面をタップしており、その様子に小さく笑ってしまい。唯の合図で自分含めたその場にいる全員が一斉に振り始めると、一人また一人と画面に名前が表示されてゆき、全員を追加し終えて。「 よし、これで何時でも連絡取れるな 」と言う健人はほくほくとした満足気な表情。ふと周りを見渡せば入学式ということもあり、もう殆ど生徒は残っておらず長居しすぎたかと思い ）

…うん！
（いつでも連絡が取れることが嬉しくて、笑顔で素直に頷くと、そろそろ帰ろうかという声にピクリと反応して。これから唯と出かける約束をさっきしていたため、ここまで長居する予定は全然なくて。唯に「どうする？どこか寄るの辞めにする？」と首を傾げながら訊いて。自分はこれから出かけるのをとても楽しみにしていたため無くなるのは悲しいが、相手の予定とかもあるので辞めにすると言われたら、素直に相手の意見を尊重しようと思っていて。少しだけ悩むと唯は『うーん、…あ！今日は辞めにして今度このメンバーで行くのはどう！？』と提案してきて。私はビックリして目を丸くして「な、なんで！？」と大声で言ってしまい。）

俺は別に良いけど。何処に行くとか決まってんの？
（ 玄関に向かって歩きながら後ろで交わされる会話を聞いており。すると耳に入り込んできた言葉、みんなとは勿論このメンバーを指しているのだろうと気づけばバッと後ろを振り返り。「 まじで？行くいく！でもこっち男4人も居るけど大丈夫？」と盛り上がる男性陣に「 凛久も行くよな？」と聞かれれば、場の空気を悪くしたくはないと思い肯定の言葉を述べて ）

…あなたも来るの？
（八重草の言葉に驚いたように反応して。男の子と出かけるのは初めてなので不安はあるが八重草と一緒だと考えると嬉しいのか頬が緩み始めて。それを悟られないように「あ、あれね！何も役に立たなそうだけど、私達のボディーガードくらいにはなるんじゃないかな。」と思ってもいない失礼なことを言って。靴箱から自分の靴を取り出すと近くにいた唯に「謝ったほうがいいかな？や、八重草君気にしてないかな？」などと焦りながら小さな声で訊いて。しかし、相手は私の頭をポンポンと撫でるだけで何も言わないで。）

なに、駄目なの？…桜宮さんにボディーガードが必要だとは思えないんだけど。
（ 驚いたような声音で問うてくる相手に、何で俺だけなんだよ、と心の中で悪態を付きながら先ほどの調子で聞き返し。靴を履き替えている最中であったために相手の表情は伺えなかったが、またもや辛辣な言葉が上から降ってきて。何故に先程から初対面の女子に自分がこのような言われようを、そう問い詰めたい所をぐっと抑えては、そんな強気ならばボディーガードなど不要ではないかと嫌味を込めた返しをしてみて ）

そ、そんなことない！必要って言ったら必要なの！！
（靴を履き終わると、子供のようにそう反論して。そんなにボディーガードにこだわる理由は無いが、つっかかってしまい。またやってしまった、と思うと唯に「どうしよう、どうする？謝る？謝る？」とこっそり訊くが、やっぱり唯は何も言わずニコニコしながら私の頭をポンポンと撫でるだけで。混乱した私は撫で続ける唯にやめてもらおうとして「やめて〜。」と言い、撫で続ける唯の手に小刻みにジャンプをしながら唯の手にアタックして。しかし、途中で足がもつれ転びそうになって。）

あーはいはい、分かりましたよ……っと。
（ 予想はしていたがやはり反論してくる相手を軽くあしらいつつ玄関から出ようとした所、バランスを崩した相手が目に入っては彼女の腕を体の傾きと反対方向に引っ張り身体を起こしてやり。外へ出るとまだ空は明るく、やや涼しい風が身を包み。口論のせいで忘れていた質問を思い出せばもう一度「 で、何処に遊びに行くつもりだったの？ 」と聞いてみて ）

あ、ありが……じゃなくて、今のは自分でなんとかできたんだからね！
（素直にお礼を言おうと思ったが、やっぱり悪態をついてしまい。そんな自分に落ち込んで、八重草の質問には唯が『最近ここの近くに新しいクレープ屋さんができたから、クレープ食べに行こうと思ってたの。』とにこやかに答えて。外の風の涼しさとは反対に、さっき八重草に腕を掴まれた部分は熱を帯びていて。それに対して一人で頬を赤く染めると、人としてお礼を言わないのは最低だと思い「…さっきは助けてくれて……ありがと。」とさっき助けてくれた八重草に聞こえるか聞こえないかぐらいの声量で、面と向かって言うとまた悪態をついてしまうと思ったのか、相手の背中に向かって言い。）

（ / わーっ、ごめんなさい！ここの通知をONにしていた筈なのですがメールが来たのが本日でして…。とっくに返事をくれていたのに、気付くのが遅くなってしまい申し訳ありません！ ）

いや、素直にありがとうって言えよ。
クレープか…。
（ 感謝の言葉が聞こえたと思いきやすぐに言い直す相手。何故そこまで頑なに言わないのかと呆れつつ述べて。クレープと聞けば甘い物はあまり得意ではないため迷いが生じて口にすると、「 コイツ甘いもの苦手なんだよねー 」と健人が付け加え。皆と並んで歩いていると細々とした声が聞こえたような気がして後ろを振り向けばちょうど彼女が「 ありがと 」と小さく言っているところで。その相手は恐らくは自分であり、赤く染まった頬の相手を見やれば自然と口角も上がってしまい ）
なんだよ、言えるんじゃん。

なっ！？
（相手に聞こえているとは思ってもいなかったので、すぐさま両手で自分の口元を隠して。口角の上がっている相手に、そのままの体制で「あ、貴方に言ったんじゃないから！！唯に言っただけだから！」と強気に言うが、顔の赤さは消えず目はキョロキョロしていて。そんな私を華麗に無視して唯は『甘い物ダメなのー？じゃあ、お食事クレープは？そこお食事クレープも美味しいらしいから行ってみようよ〜。』と話を続けて。一方私は、口元から手を離すとコソコソと唯の後ろに隠れて唯の服の袖をちょいちょいと軽く引っ張り、頑張って誘ってくれ〜、と応援して。）

(/こうして返信をくださったので、全然大丈夫ですよ〜。）