普通の日常をー【非募】

なんか悲しくから励ますなよ
（窓を閉めているから聞こえないものの追い越した男性が何か文句を言っていて、それに注目していれば弟の労いの手が肩に乗りはたき落として

期待してなかったら違ったかもね
（体勢を元に戻し追い越した車を見てはフロント越しから中指を立てているのがわかり、お返しにと言わんばかりに中指を立かえし

やだサミーったら下品
（たしかに弟の言う通りだが鼻で笑い飛ばし、中指を立てる相手を横目で捉えて冷やかすが自分も片手運転でしっかりと中指を立てていて

ディーンだって人のこと言えない
（横で真似する兄を見てケラケラと笑いあげ、1通り笑ったら溜息をつき「次の街で休憩でもする？」時計見て長いこと走ってると

よし、そうするか
（一緒になって腹を抱えて笑い声を上げ、ちょうど小腹も空いた事で賛成し気持ちばかりスピードを緩めて入れそうな店を探し「お前あんなの好きそう」見るからに女性向けのカフェを指差してからかい

あの店？やめろよ、雰囲気はいいけど入れないよ・・あのバーは？ディーンにピッタリ
（指さされた店の店内は女性ばかりで到底入れる雰囲気ではなく、少し走ったところに少し古びたバーを見つけてはいかにも好きそうだと冗談を返し

俺には場末のバーは合わない
（少し古すぎると文句を付けつつハンドルを操作しバーの横につけ、美人がいては困るからと一応身だしなみを整えてから車を降りて、中に入れば意外と広い店内のカウンター席に腰下ろし

結局はいるんだ
（冗談だったつもりがほんとに入るんだと思い、見かけによらず広い店内だと感心し腰を下ろして

とりあえずビールか、たまには違うのもいいか？
（カウンター越しに二人分の注文をしようと指を二本立てた状態で弟の方へ向き、いつも問答無用でビールを頼むが違う酒にしてみるか問い掛け

そうだな・・・いや、僕はビールでいいよ。
（一瞬考えるも飲みなれたやつの方がいいと手を横に振り「ディーンは他のものでもいいよ」同じじゃなくてもいいと強要はせず

んー、いや俺もビールでいいや。二つね
（強めの酒を頼むか悩む所だが疲労もあるし血流が良くなり傷が痛む事を心配し、恐らく会話が聞こえてるであろう無愛想なバーテンに注文して

（特に話す話題もなく、肘をつきながら店内と外を交互に眺め。出されたビールを手に取り何か話すことは無いかと考えながら1口のみ

急に難しい顔してどうした？恋の相談だったら聞くぞ？
（客はまばらで賑わいも小さくどことなく静かな雰囲気が流れる中でビールをちびちび味わい、ふと隣を見れば黙り混む弟がいて何か悩みでもあるのか珍しく兄として優しく微笑み

兄貴に恋愛相談？絶対したくないね
（自分がどんな顔をしていたかわからないが、ただ何となく話題を探してただけ何妙に優しく話しかける兄を不自然に思い鼻で笑い飛ばし

うわ、サムが急に黙り混むから心配したんだろ
（ただ話題を探していたとは思いもよらず笑い飛ばされ、ムッとした表情を浮かべ仕返しに「こいつに一番強い酒飲ませてくんない？」バーテンに向かいサムを指差して

それは悪かったよ、でも恋愛相談だったとしても兄貴には言わないね。
（勘違いをしたのが面白かったか、プッと吹き出してはポンポンと背中を叩き軽く謝って。ビールを飲もうとすると度数の高いお酒を頼もうとするのを聞き、驚いて吐き出しそうになるのを止め「出さなくていい！｣慌てて止め

なんだよ、可愛い子にモテるテク教えてやろうと思ったのに
（とんだ心配し損をした上に真っ向から否定されたが、サムの髪をわしゃわしゃと両手でかき回せばスッキリして鼻を鳴らして笑い、更には自分の注文を慌てて止める様に吹き出して腹を抱えて笑い転げ

最悪・・・
（横目で睨みながら少しこぼれたビールを紙ナプキンで拭き、クシャクシャにされた髪を整えながらほかの客に気づかれない程度に兄の足を蹴り

いって…！
（勝ち誇った笑みを浮かべたのも束の間で足をバタつかせ「さてと仕事してくるか」半分ほど残るビール瓶を手に、店の雰囲気に合わない若い女性二人組のところへ向かい

お返しだ
（ククッと笑いやり遂げたと満足げにビールを飲み、席を立ちどこへ行くんだろう目線で追うと2人組の女性のところに向かう姿を見てフラレるだろうなと戻ってくるのを楽しみに