蟲 2016-11-26 12:01:37 |
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>砂乱
貴方の目には私はどう映っているのかしらね(頬に手を当て溜め息を一つ、しかし溜め息を付くことさえも何処か愉しげに上記を述べ。意図した訳ではないが曖昧にぼやかした言葉はいとも容易く彼を勘違いに導き、一人とうとうと初めての食事について語る其の姿は滑稽でいて愛らしく、この勘違いは何時か切り札に成るだろうと考える。騙されたと知った彼は私を嫌うだろうか、今から少しばかり胸が高鳴るが、それよりも取り付ける事の出来た約束を先に楽しもう。私の為に幾らでも人を殺,してみせようと物騒な事を言う口にそれでいて爛々と無邪気な眼差し。成る程__、何となく彼の本懐は掴んだ。何処までも無垢に毒を蔓延させる、警戒等させぬままに。そんな蟲なのではないだろうか。これくらいの年頃の童がよくやる様に井戸を覗き込む後ろ姿を見詰めそう分析してみる。判らないのはその後の彼の発言。私の事が好きだから、だから消すとそうてらいもなく言ってのける彼をただただ不思議に思う事しか出来ない。蟲卵に語りかけたのは他に行う事がなかったから、内容も職場である女学校の話ばかりでお世辞にも愉快な話だったとは言い難い。何て不可思議な生き物だろう、そう思いながら苦しそうに口の中の何かを吐き出すのを見て約束の水を、入れる容器もないので盥に注ぐと差し出し、同時に口を開き。「別にこれといって憎い人はいないの。“奉仕“と聞いて直ぐに殺すという発想に至るのは貴方が私の好みを知らないから。そう思えば私達はお互いの事を知らなさすぎると思わない?」少しだけ自己紹介すると私は女学校で美術教師をしているの、得意分野はデッサン。さあ此処から導き出される“奉仕“は?_そう学校での様子を再現するが如くものを尋ねる様に言葉を付け加え)
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